食材トレンド:黒豚より甘い! 三元豚を超える!? 四元豚上陸
日本各地のブランド豚で百花繚乱の豚肉シーンに黒船襲来!? アメリカから鳴り物入りで上陸してきたブランド豚は、その名も「四元豚シルキーポーク」。2010年秋に登場したばかりの新顔ながら「黒豚よりも甘い」と高い評価を得ている。豚肉マーケットは三元豚ブーム以降、日本各地のブランド豚が登場して賑わっていたが、最近は落ち着いてきた感があった。同商品の登場で、豚肉市場が再び活性化しそうだ。
●日本人好みの霜降りを実現
四元豚シルキーポークは、日本にはほとんど存在しないチェスターホワイト種をかけ合わせたもの。肉質は美しいピンク色で、霜降りのようにサシが多く入り軟らかい。食味については、独特の臭みやくどさもなく優しい甘味が特徴だ。同商品を味覚センサーで解析(0.00~3.00までの数値で味の強さを評価)したところ、ばら肉の甘味の強さは1.88で、国産豚肉(1.65)や国産三元豚(1.60)のそれを上回るほどだ。
全国にチェーン展開する大手ファミリーレストランが、その味のインパクトに着目し、2011年春から導入を開始。「かめばかむほどあふれるうま味、脂身の甘味に高い評価を得ています。肉料理のカテゴリーで、ビーフに劣らない人気ぶりです」と広報担当者は手応えを語る。東京・青山に本店を構える老舗豚カツ店では、通販用の商品に採用した。また某大手百貨店では100g当たり250円超の高単価での販売ながら売れ行きは上々と、外食・内食の両方からじわじわとその名前が浸透しつつある。
生産はアメリカだが、開発は日本人の嗜好に合わせた味を目指して進められた。日本人が好むサシの割合に着目。最適なサシを実現するために、一般的には豚の成長段階に応じて3種類の配合飼料を与えるところ、9種類もの特別に開発された配合飼料で飼育する。輸入販売を手掛ける住商フーズは、年間1万tの販売を目指す。
◆「四元豚シルキーポーク」 住商フーズ(株)東京都中央区晴海
チェスターホワイト種が決め手 トレーサビリティー徹底
三元豚でも用いられる大ヨークシャー、ランドレース、デュロックの3種に、チェスターホワイト種を加えた4種を掛け合わせて誕生した豚。開発は住友商事と米最大手豚肉生産会社スミスフィールド社、指定農場のゴールズボロ農場が共同で行った。味だけでなく、農場から加工ライン、加工時間まで判別が可能なトレーサビリティーシステムを確保し、安全安心な輸入ブランド豚肉のマーケットを開拓する。