お客に言えない業務用調味料マル秘ブレンドテクニック:酢味噌
居酒屋や和食業態では常備の調味料で、一般的な用途は、魚介類や野菜などの酢味噌あえ。他の調味料とまぜることは、ほとんどないが、味噌の風味が素材の臭み消しによく、淡泊な食材にうま味と味の深みを与えてくれる効果も大きいので、もっと広い分野でも使えるはず。コチュジャンとまぜれば、ホルモン系料理にピッタリの味になるし、サワークリームやマヨネーズと組み合わせれば、コクのある洋風系のソースに変身する。辛味との相性は抜群だ。
◆この調味料とまぜてみよう!
●キムチの素
ニンニクと唐辛子の効いたキムチの素と酢味噌をまぜると、ピリリとパンチのある味わいになり、酒のつまみに絶好の料理になる。ブレンドは酢味噌3に対し、キムチの素1の割合がよい。モツ類や他の肉料理に向く。
●ディジョンマスタード
ディジョンマスタードは、マイルドな辛味と香りのよさで知られるフランス産の調味料。国産の粒マスタードで代用もできる。ゆでた魚介類、野菜のサラダにも向く。ディップ用調味料として蒸し野菜のたれなどにもピッタリ。
●しゃぶしゃぶのたれ(ごま味)
ごまのマイルドで強いうま味が特徴の、しゃぶしゃぶのたれと酢味噌をブレンド。エビ、イカ、タコ、海藻などの素材とベストマッチの味わいになる。お薦めブレンドは、酢味噌1に対してごまだれ1。辛味を加えてもよい。
●タバスコ
極辛調味料として人気のタバスコは、辛味の隠し味として便利な存在で、酢味噌とのブレンドも絶妙。シャープな辛味が加わることで大人向きの味わいになる。辛味の程度は好みになるが、肉系料理のソースとしてお薦め。
◆料理事例
「ゆでモツの韓国風酢味噌あえ」
ブレンド比率=酢味噌2:キムチの素1
シロコロモツをさっと湯がき、キュウリ、白ネギとともに、キムチの素入り酢味噌であえた酒のつまみに絶好の簡単料理。酢味噌2に対してキムチの素1の割合でブレンドし、辛味やニンニクの風味を強調した大人向きの味付けに。
●プロフィル
押野見喜八郎(おしのみ・きはちろう) FSプランニング代表。1946年千葉県生まれ。東京ヒルトンホテルを経て外食マーチャンダイザーに転身。多数の外食専門校で活躍するほか、外食企業の商品開発、食品企業の業務用食材開発を手掛けるなど、わが国のメニュー政策指導の第一人者として知られる。「外食新メニュー実用百科」(日本食糧新聞社)など著書多数。