ＪＲ恵比寿駅のかなり奥まった立地、という悪条件を見事にクリアさせたのが、この店。同じ立地で以前三件も失敗していることからも、繁盛していることがわかる。八年前㈲地獄プロがオープンさせた。

店長の伊藤英明さん（五八歳）は、月刊誌の編集長、タップダンサーなどをこなしてきた変わった経歴だ。

この店は伊藤さんいわく「私が造った地獄の世界」。なるほど約一五坪、三〇席の店内はエンマ大王の油絵、木彫、ガイコツのはり絵など、すべて伊藤さんの手作り。バックミュージックまで独自でプロデュースした地獄の音楽テープをエンドレスで流している。

メニューは辛いものシリーズ六タイプと、みそラーメン（六五〇円）など辛くないラーメンが六タイプある。

この辛いものシリーズは実にユニーク。最も辛いラーメンは「赤池地獄」（一三〇〇円）。辛さ三〇〇％の上級者向き。メニューの脇に「警告、この作品をバカにしたり、ふざけ半分で注文した人に限り、食べ切れなかった場合は皿洗い一〇枚の刑に処する」。さらに「効能、冷え症、鼻づまり……」。店全体にアミューズメント性をプラスさせている。人気メニューは辛さ三〇％「赤鬼ラーメン」（六〇〇円）。しょうゆ味のスープにニンニクをブレンド、唐辛子などのスパイスが心地よくきいている商品で、初心者向き。

香辛料を脇役から主役でした。店長の個性がすみずみまで生かされている。この店を真似て次々と似た店が誕生しているが、「ポツンと一軒あるのがいい」とかで、支店を出す予定はない。一〇～二〇代の女性中心で、ほとんど常連客。

地獄ラーメン

ひょっとこ

渋谷区恵比寿南１‐８‐４

０３・３７９１・７３７６

営業時間11：00～13：30

17：00～21：30

（日・祝休）