焼肉特集:「肉 裏篠田」 カウンター10席のみ 焼肉はもっと自由であるべき

2025.01.06 551号 02面
 奥谷知基代表が目の前で肉のカットから焼きまでを行う。カットしているのは「未真空脱水生たん」。脱水シートで脱水をかけることでタンの軟らかさとうまみが増すという

奥谷知基代表が目の前で肉のカットから焼きまでを行う。カットしているのは「未真空脱水生たん」。脱水シートで脱水をかけることでタンの軟らかさとうまみが増すという

「挨拶がわりのひと焼き」。群馬県のブランド牛「増田牛」の薄切りヒレ肉を使用。卵黄タレで食べる。焼き加減が難しくフルアテンドならではの一品

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「レバーシュー・ア・ラ・クレーム」。茶菓子のような感覚で最初に提供される名物商品。シュー生地の中には和牛レバーのクリームが入っている。上質なレバーは、甘く濃厚であることを伝えるために開発した

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店内はカウンター10席、無煙ロースター5台を設置。もともとベーカリー店舗だったのを焼肉店にリニューアルした

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【愛用食材・資材】「蘭王」蘭王たまごの郷(大分県日出町)

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【愛用食材・資材】「無煙ロースターSSRD」シンポ(名古屋市名東区)

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 ◇“おもてなし”で差別化フルアテンド制

 奥谷知基代表は、コロナ禍の2022年2月に「大皿焼肉 老中」(名古屋市西区)で焼肉業界に参入。焼肉業態の自由なアレンジができる可能性に魅了され、2号店「肉 裏篠田」を24年7月にオープンした。「肉 裏篠田」は、完全予約制でメニューはコースのみ。カウンター10席のフルアテンド焼肉店だ。

 「寿司は、高級寿司から回転寿司、立ち食い寿司、持ち帰り寿司、寿司居酒屋などいろいろな業態に広がっている。焼肉は、寿司と肩を並べる日本の人気料理だが、焼肉が持つ自由度を生かし切れていないのではと感じていた。そこに挑戦した」と「肉 裏篠田」への思いを奥谷知基代表は語る。

 フルアテンド制を取り入れたのは、名古屋は都心部と比べて高級焼肉店やフルアテンド焼肉店が少なく、可能性を感じたからだ。また、肉の焼き方には好みがあるため、接待・同伴利用などで利用する際の焼き役となる人の負担を軽減し、プロの料理人の絶妙な焼き加減で、料理のおいしさを純粋に味わってほしいという思いもあった。

 店内はオープンキッチンで、奥谷代表が1人で料理と焼きのサービスを切り盛りし、客の目を引き付けている。アルコールなどのドリンクは、カウンターの斜め前のバーカウンターで女将が対応するオペレーションだ。料理とドリンクの動線を分け、スムーズに接客できるように工夫されている。

 ちなみに「裏篠田」の店名は、祖母が裏千家の師匠だったことと祖母の姓が篠田ということから名付けた。裏千家は、茶道の伝統を守りながらも革新を取り入れ、近代化を進めてきた流派だ。「裏篠田」の、その時々のおもてなしは一期一会だが、おもてなしの感動と料理のおいしさでリピーターが増えてきている。

 ●愛用食材・資材

 「蘭王」蘭王たまごの郷(大分県日出町)

 鮮やかなオレンジ色

 赤色パプリカを与え、鮮やかなオレンジ色の黄身が特徴。「京都の料亭で使われていて鮮やかな色に驚きました。どこの卵か頼み込んで教えてもらいました」と奥谷知基代表がほれ込んだブランド卵だ。「挨拶がわりのひと焼き」に欠かせない。 規格=10kg

 「無煙ロースターSSRD」シンポ(名古屋市名東区)

 炭火焼き専用

 「肉 裏篠田」では、紀州産備長炭を使用している。「炭火焼きにこだわりたかった。しかし、煙が上がるのは店のイメージとは合わないため下引きの無煙ロースターを選定しました。快適な空間づくりに欠かせない設備です」と奥谷代表。

 ●店舗情報

 「肉 裏篠田」(名古屋市東区)

 経営=bonobos/店舗所在地=名古屋市東区泉1-17-10 第一オレンジ久屋/開業=2024年7月/坪数・席数=15坪・10席/営業時間=17時~23時。日曜休/平均客単価=2万円

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