卸の収益力が著しく悪化 特需消失・業態競争激化などで小売業の値引き要請強まる
「全国的にこれだけ見積もり合わせや帳合変更が厳しかった年はない」「攻めも守りも利益が削がれる」--。大手卸幹部が前期の市場環境をこう指摘するように、卸業界の収益力が著しく悪化している。震災特需の反動や業態間競争の激化などを受け、小売業からの価格圧力が増大。さらに新たな収益圧迫要因へ急浮上してきたのが、有力チェーン間で相次ぐ小売PB商品の拡大だ。PB比率の向上が実勢価格を引き下げるとともにNBの領域を侵食し、従来とは異なるデフレ競争へ突入してきた。(篠田博一)