ヤマサ醤油、「万能クッキングたれ」で家庭用たれに再挑戦 1本で味決まる汎用性を

「万能クッキングたれYummy!ガーリック&ペッパー」、ロゴやキャラクターは芸人のネゴシックスがデザインしファン醸成

「万能クッキングたれYummy!ガーリック&ペッパー」、ロゴやキャラクターは芸人のネゴシックスがデザインしファン醸成

 ヤマサ醤油は家庭用のたれ市場に再挑戦する。8月20日から「万能クッキングたれYummy(ヤミー)!ガーリック&ペッパー」を発売する。料理専用、食材を問わない汎用のサブカテゴリーを築く。独自原料で既存商品にない、奥深いコクを引き出した。炒め合わせるだけの外食品質、新開発のキャップによる“タレビーム”の楽しさをTVCM、50g試供品などで伝える。そのほか新商品は「ごろっとガーリック鍋スープ」のみに絞って育成する。「昆布ぽん酢」は25周年企画で停滞市場を盛り上げる。

 家庭用のたれ商品は09年の「SAN-Jソース」以来15年ぶり。創業379年の醤油をはじめ、昆布シリーズのつゆ、ぽん酢で先行するが、たれは業務用の「炒め味」「醤(ジャン)」などにとどまってきた。成熟市場のつゆで汎用調理向けの「これ!うま!つゆ」を20年から発売してヒット。簡便・万能を追求し、同質化した家庭用たれに革新の可能性があると判断した。

 「Yummy!」は子会社のサンジルシ醸造と共同開発し、豆味噌を用いた(240gボトル、税別360円)。糖類と加熱してのメイラード反応、ニンニクの香りを油に移すテンパリングといった、本格的な外食店の技法を再現し、独自の「SO醤(エスオージャン、すげー・おいしい・じゃんの略)」を開発した。他社品より15~20ポイント上の味のコク、複雑さ、奥行き、加熱による余韻を実現した(味香り研究所調べ)。

 豊かな味わいを生かして甘さ、塩味は控えた。素材の風味を生かし、1本でメニューの味が決まる、汎用性を備えた。豆味噌の自然な酸味も活用して、甘くて飽きる、べとつくといった、たれ特有の不満を解消。使いすぎても味が濃くなり過ぎず、調理では商品裏面の目盛りを確認しながら、細かな計量なしに自由に使える。

 フライパンで豚肉を焼き、最後に炒め合わせるだけのポークソテーを中心にレシピを紹介する。新たな「とんがりキャップ」のノズルで液だれなし、勢いよく注げることを“タレビーム”と命名。おなじみの大泉洋が9~11月のTVCM、YouTubeCMで「Yummy」の使い勝手の良さ、楽しさを提案する。「これ!うま!」でも好評だった適量(大さじ3強)小袋のサンプリング、各種什器も用意。新たな商品コンセプト、味わい、販促に流通バイヤーから高評価を得ている。

 鍋つゆの新製品の「ごろっとガーリック」もレトルトニンニク5粒入り、2~3人前と差異化(580gパウチ、税抜き390円)。「昆布ぽん酢」は発売25周年を迎え、昆布だしとうまみの相乗効果が得られる「豚ブースター」メニューを紹介する。得意先の小売業と店頭キャンペーンを行い、競合するMizkanの「味ぽん」60周年とともに消費を刺激する。(吉岡勇樹)

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