鳥取県が氷温協会設立、300品種を商品化、商談会開催で氷温食品をPR

2002.04.01 249号 22面

鳥取県、(社)鳥取県物産協会、(社)氷温協会は2月27日、東京・八重洲富士屋ホテルで百貨店、スーパー、商社などのバイヤーを集め、県で独自に開発した氷温のPRとともにこの技術を使った氷温食品商談会を行った。

氷温は一九七〇年、鳥取県食品研究所の故・山根昭美氏が二十世紀梨を使いCAガス低温貯蔵試験中、偶然に発見したもの。

ナシを四度Cで保存するところ、機械の故障でマイナス四度Cで保存してしまった。四日後、凍ったはずのナシは凍らないばかりか収穫直後と変わらぬみずみずしさを保っていたという。

この事実から同氏は、従来〇度Cで冷蔵と冷凍に分けていた常識をくつがえし、新たに〇度Cから凍りはじまるまでの温度域を「氷温」と命名、この温度域の活用研究に着手した。

その結果、生き物は凍る寸前に凍るまいと防御反応を起こして不凍液を出し、これがうまみ成分となること。また氷温を行うと微生物や細菌の繁殖を抑制するため、殺菌剤や防腐剤を使わず肉、魚、野菜などが熟成でき、乾燥・発酵・濃縮加工でも同じ効果が得られることを発見する。

こうした発見から一五年後の一九八五年、氷温技術の普及啓発による事業化推進のため日本氷温食品協会、(株)氷温研究所を設立。さらに農水業の活性化と地域経済発展の寄与のため(社)氷温協会を設立し、現在では氷温技術を肉・魚・果物・野菜・穀類の貯蔵ばかりでなく、ソーセージ、干物、漬け物、生酒、味噌、パンなど三〇〇種の加工食品に適用し商品化をすすめている。

会場では、鳥取県内氷温食品製造業者一〇社((有)板見製餡所、(株)米吾、(株)ダイマツ、(株)鳥取県食、友田セーリング(株)、テクノフーズ(株)、君司酒造(株)、千代むすび酒造(株)、福井製茶、はやし食品(有))が商品説明とプレゼンテーションを行った。

購読プランはこちら

非会員の方はこちら

続きを読む

会員の方はこちら