痛快!脱サラ成功一直線(10)3年後株式上場目指す本多潔氏のチャレンジ

2002.04.01 249号 20面

だれもが同じ経験をする。卒業して何年かたつと、「もう一度、本気で学んでみたい!」という勉学への欲求がわいてくる。学生のころ、嫌いだった勉強が、学校を去って十数年たつと今度は本気で勉強したくなる。無性に学びたい、本を読みたい、通信教育で学びたい、大学の社会人講座の受講者数も急増している。今回取材した脱サラ社長も、そうした「学び」に目覚めた一人。

ビジネスマンには悩みが多い。二八歳の時に、ふと思いたってK大学の通信講座を受講。以後一〇年間、企業とは何か? 株式とは何か? 経済とは何か? と真剣に学んだ。その結果、一年半前にフランチャイズチェーンを起業し、理想の経営を求め奮闘中である。インターネットカフェ「エアーズカフェ」をフランチャイズ(以後FC)展開する「(株)エアーズネット」の本多潔社長(39)である。

「私は、タイヤ販売会社に勤め結婚し、大学進学はあきらめました。その後、レンタルビデオ店のFC本部に入り、全国を飛び回って仕事に明け暮れました。そこで、FCチェーンの経営ノウハウを身につけ、通信教育で学んだ「理想の会社経営」を目指し、自ら起業しました。これからのインターネットカフェは、女性に支持される明るい店でなければなりません。今後このFCチェーンを展開し、二〇〇五年に株式上場(IPO)を目指しています」

「われわれが目指すお店は、普通の女性が気軽に入れる、そんなインターネットカフェです。従来のマンガ喫茶やインターネットカフェは、男性がターゲット。だから、暗くて狭くてその上トイレも不衛生。これでは女性の支持は得られません。インターネットカフェが社会的認知を得るために、女性に支持される明るく楽しく清潔感のあるお店を目指しています」

こうしたインターネットカフェを、「フリースタイルカフェ」という。それは、(1)女性デザイナーのデザイン(2)女性好みの内装(3)オシヤレで清潔感ある雰囲気(4)照明は明るく安全なイメージ(5)トイレは広めで清潔感にあふれ(6)ブロードバンド回線(7)一九インチの見やすいディスプレー(8)オリジナルな画面作り(9)さまざまなコンテンツを提供(10)本格的インターネット環境の整ったインターネットカフェをあらわすお店だというのである。

通信教育を受講しようとした動機を聞いてみた。

「幹部として責任ある立場にいた時、会社の都合で業者を切らなければなりませんでした。それが私には耐えられなかった…」

本多さんは、自分の信念と会社の論理のギャップに苦しんだ。会社経営とは何か? こうした疑問を晴らす知識が自分にはない。この疑問を晴らすため、無性に学びたい。そこで、思い切って大学の通信教育を受講した。

当時本多さんは、店舗開発の責任者として全国の出店候補地を飛び回っていた。出店候補地の調査を終えると、誘いを断りホテルの一室で黙々と通信教育のテキストに向かった。ハードな仕事のため、猛烈な睡魔が襲う。それでもなんとか課題レポートを完成させた。良いレポートを書いた翌朝は爽快だった。

こうして一〇年がたった。会社案内に、社長の「理想のビジネス」を追求する経営方針が掲げられている。

本多社長だけではない。一旦社会に出て、現実の困難を目前にして悩み苦しみ、道に迷いそうになった人たちが、本当に心から学びたいという意欲を沸き立たせて、通信教育や社会人講座に集まっている。学問が本当に社会に役立つ、「実学の時代」が到来しているのである。

((有)日本フードサービスブレイン代表取締役・高桑隆)

◆会社概要

社員、加盟店、取引業者、株主の皆様、お客様が、当社に愛着を持ち、当社に関わることに誇りを持ち、皆のものとして大きく成長するために、当社は常に人を尊重し、何事に対しても正しくあり、そして強くなければならないと考えております。当社はこのように真心で経営しながらも、永続的に株主の皆様に利益を配当してゆきます。

◆「エアーズ カフェ」の概要

企業名=(株)エアーズネット/代表取締役社長=本多潔(39)/本社=千葉市美浜区中瀬2丁目6番地 ワールドビジネスガーデン マリブイースト15階

◆エアーズ カフェの標準スタイル

標準店舗=三〇坪以上五〇坪くらい/営業時間=二四時間(立地条件による)/PC台数=二六台以上/飲食=フリードリンク&軽食/コミック=一万冊以上/料金体系=一五分一〇〇円/立地条件=繁華街、郊外複合店舗/スタッフ=オーナーまた社員ほか一人/通信回線=光ファイバー、DSL、ケーブルTV/店舗デザイン=当社指定のデザインを使用

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