メニュートレンド:焼き+蒸し Wで楽しさ倍増 客の欲張りかなえてヒット!

TUTUMU38セット 1人前2,068円(税込み、※注文は2人前~) 肉のボリュームは2人前でトータル330g。ポッサムの中央にある湯むきトマトは「どこのブランドトマトか?」と問い合わせがあるほどの甘さで人気。またサムギョプサルの副菜のキムチは「炒めてもおいしい味になる甘辛さ」の自家製
焼くサムギョプサルとゆでるポッサム。本場韓国ではどちらも豚ばら肉を野菜に包んで食べるメジャーな料理だ。2つを合体させて新たな価値を生み出し、女性客を中心に高い支持を得ているのが、東京・吉祥寺の韓国料理店「サムギョプサルと韓国料理 TUTUMU38 吉祥寺店」だ。
●サブの包み野菜も主役級
「同品の開発は、お客さまの声から始まりました」とオーナーの伊藤圭一さん。オープン当初はサムギョプサルと独自に開発した「せいろdeポッサム」の2品を看板商品として掲げていたが、新規客を中心に「両方食べてみたかった」という声が多かったことから開発に乗り出したそうだ。
とはいえ、客席にコンロ2台は置けない。そこで、サムギョプサル用の鉄板とポッサム用のせいろを組み合わせられないかと考えた。「2品同時に食べ頃に温まるよう器具や肉のカットを調整するのに苦労した」と伊藤オーナー。ベストなバランスにたどり着くまで、数十回の試作と半年の時間がかかったそうだ。
初めのうちの客の反応は「かなり微妙でした」と苦笑い。やがて他の客席に提供された実物を見て、連鎖注文する客が増加。現在は5割の客がチョイスするまでになっている。
ところで「せいろdeポッサム」は単体でも取材したくなるほど創意に富んでいる。そもそも本場韓国料理のポッサムはゆでた豚肉をカットしたもの。野菜に包んで食べるスタイルはサムギョプサルと同じだが、冷たい料理のため「主菜」にしては存在感が薄い。そこで伊藤オーナーは「これを熱々の状態で食べてほしい」と「せいろ蒸し」のスタイルを考案。中央に鎮座する湯むきトマトも秀逸で、見栄えと健康訴求に貢献している。
さらに、同セットにはもう一つの「主役」がある。副菜で提供される「包み野菜」だ。10種類以上、トータル約1kgと圧巻のボリュームで鮮度も抜群。「肉料理より包み野菜目的のお客さまが多い」と伊藤オーナーが語るほどで、来店客の9割が健康・美容に意識が高い30~50代の女性だというのもうなずける。大半の客が食べきれないというが、残った野菜を食後のスムージーとして提供するサービスで満足度を高めている点が心憎い。
●店舗情報
「サムギョプサルと韓国料理TUTUMU38吉祥寺店」
所在地=東京都武蔵野市吉祥寺南町1-1-8 けやきビル地下1階/開業=2022年10月20日/坪数・席数=13坪・26席/営業時間=11時30分~14時30分、17時~22時30分(※月は夜のみ)、土11時30分~22時30分(※日・祝日~21時30分)。不定休/平均客単価=昼1100円、夜3000円
●愛用食材・資材
「丸大豆きな粉」みたけ食品工業(埼玉県戸田市)
韓国で流行したフレーバーに使用
サムギョプサル、「せいろdeポッサム」用に用意するつけダレの一つ「きなこ塩」に採用。10年ほど前に韓国でブームになったフレーバーで、香ばしい甘しょっぱさが豚肉を引き立てる。同品は甘味が強い大豆を厳選し、独自の2段階焙煎で製造したきな粉。甘さと香ばしさのバランスが絶妙。
規格=100g