メニュートレンド:価値観あり!の大人気セット 濃厚だがクセのないスープ

2025.06.02 556号 02面
オマール海老みそ海鮮丼SET Mサイズ(麺1玉)2,189円(税込み) 取材時の海鮮丼のネタは、福井県産サワラ・真鯛、北海道産磯ツブ貝、鹿児島県産ブリ・キメジ、天使の海老、オマールエビ味噌。ラーメンのトッピングは、クジラ形ラスク、スペイン産豚肉の自家製チャーシュー、大葉、白ネギ。さらにパルミジャーノレッジャーノをプラスし、エビ油をかけて仕上げる

オマール海老みそ海鮮丼SET Mサイズ(麺1玉)2,189円(税込み) 取材時の海鮮丼のネタは、福井県産サワラ・真鯛、北海道産磯ツブ貝、鹿児島県産ブリ・キメジ、天使の海老、オマールエビ味噌。ラーメンのトッピングは、クジラ形ラスク、スペイン産豚肉の自家製チャーシュー、大葉、白ネギ。さらにパルミジャーノレッジャーノをプラスし、エビ油をかけて仕上げる

エビ味噌とスープが融合し、濃厚なエビご飯に

エビ味噌とスープが融合し、濃厚なエビご飯に

雰囲気はイタリアンのラーメン店。9席がフル回転する

雰囲気はイタリアンのラーメン店。9席がフル回転する

【愛用食材・資材】「天使の海老」輸入元=ゴダック(東京都中央区)

【愛用食材・資材】「天使の海老」輸入元=ゴダック(東京都中央区)

 ●天然魚使用の主役級海鮮丼

 エビラーメンを提供する店の中でも、オマールエビを扱う店は珍しい。さらに、海鮮丼もセットで楽しめるというユニークな店が、大阪・寝屋川市にある「高級オマール海老ラーメン ロッカクエビノ」だ。オープン以来評判を呼び、スープの品切れで早々に営業を終了する日も多いという人気店に成長している。素材へのこだわりや調理法などを取材し、客を呼ぶ秘密に迫った。

 同店の創業者は、イタリアンシェフの鳳山圭司さん。トラットリアからラーメン店へ業態変更をする際に、店の内装に合うラーメンとしてオマールエビを選択したとか。使用するのはカナダ産オマールエビの頭で、昨年は15tも仕入れたそう。スープをはじめ、オリーブオイルで作るエビ油、海鮮丼にのせるエビ味噌と、十分に活用する。

 スープ作りで重要なのが、エビ特有の臭みを抑えるための火の調整。水と野菜2種、オマールエビの頭を、70℃で5時間炊き、急冷後に冷蔵庫で10時間休ませる。さらに、殻ごとミキサーにかけ、丁寧に裏ごしする。エビの風味をガツンと感じる濃厚な味わいながら、嫌なクセが残らない魅力的なスープに仕上げている。

 ラーメンは、シチリア産の塩をベースにポルチーニなどでかえしを作る「白」と、信州の白味噌がベースの「赤」。麺は、国産とカナダ産小麦粉をブレンドし、キャッサバのでんぷんも加えた特注麺。のびにくく、最後までもちもち感を楽しめるように考案したものだ。

 客の9割が頼むのが、海鮮丼とのセット。養殖魚は一切扱わず、当日の仕入れで内容が決まる「ラーメン店では日本一の海鮮丼」(鳳山さん)だ。小ぶりの丼だが6~7品のネタがのり、主役級の存在感。ご飯とエビ味噌を残してスープをかければ、濃厚なエビご飯の締めになる。素材と味を追求した値段以上の価値があるセットに、客の心はがっちりとつかまれる。

 行列ができる店に育てた鳳山さんだが「次のステージに挑戦したい」と、他県でのオーベルジュ経営を計画。そこで手を挙げたのが、常連だった片畑昇さん。店で1年間修業をし、今年5月から2代目店主となった。

 「他事業も運営中だが、この味を受け継ぎ広げたいと志願。『おいしいものを食べてほしい』という鳳山さんの思いや味を守り、心を込めた料理を提供する店を目指す」と片畑さん。今後は、東大阪市に2店舗目を近日オープンする予定という。

 ●店舗情報

 「高級オマール海老ラーメンロッカクエビノ」

 所在地=大阪府寝屋川市高宮新町2-1/開業=2023年1月/坪数・席数=10坪・9席/営業時間=11時~14時、17時~20時。スープが売り切れ次第終了。火曜休/平均客単価=2000円/1日平均集客数=40人

 ●愛用食材・資材

 「天使の海老」輸入元=ゴダック(東京都中央区)

 臭みなくプリプリの食感

 海鮮丼のネタで一貫して使用するのが、ニューカレドニアの美しい自然環境で養殖される同品。「車エビに匹敵するくらいおいしい。きれいな水で育つので、背ワタも気にならず臭みもない。味噌が甘くプリプリした食感が魅力」(鳳山さん)と、愛用する。

 規格=1kg50/60(冷凍)

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