うまいぞ!地の野菜(40)愛媛県ミニ情報「松山の味・緋のかぶら」

2002.05.06 251号 12面

愛媛県の民謡「伊予節」にも唱われている「緋のかぶら」漬け。在来品種「伊予緋」カブを甘酢漬けにしたもの。全国でも珍しい赤カブで、葉柄と根の表面が赤い。

根の中は白く、五mm程度の輪切りにし、一週間塩漬けし、塩抜きした後、カブス(橙)果汁と砂糖で甘酢漬けにすると、鮮やかな緋色に染まる。

各家庭でも手作りされ、お節料理に欠かせない華やかな色の漬け物として親しまれている。

地元では、「緋のかぶ」とも呼んでいるカブは江戸時代、蒲生忠知が松山城主に転封された際、旧領の近江国日野から移住した領民が「日野カブ」を持ち込んだとも、忠知または次の領主松平定行が、家臣に命じて、日野から種子を取り寄せ栽培したともいわれている。

いずれにせよ、このカブの原種は、日野カブと考えられ、松山で改良され、現在の形になったと思われる。

地元では「お城が見える畑でないと育たない」といわれるほど、松山の味としてのこだわりがある。

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