カレー特集:「CUE」キューカレー
昨年9月、そごう心斎橋本店のリニューアルとともにオープンした、カレーショップ「CUE」(キュー)。デパ地下のイートインコーナーにある、カウンターだけの店舗だが、一般的なカレーショップとは一味違う洗練された雰囲気が漂う。
というのも、ここをプロデュースするのは、大阪の有名フレンチレストラン「ラ・ベガス」。オーナーシェフの渋谷圭紀さんが、「自身の好物でもあるカレーのおいしさを、広く提供したい」という思いから誕生したという。フレンチベースならではのカレーを、手軽に食べられると好評だ。
この店の一番人気は、「キューカレー」(900円)。別名“おでんカレー”として注目されているメニューだが、もともとはラ・ベガスのまかない料理として作っていたものだとか。
チキンカレーをベースに、具には、ウズラ卵、竹輪、コンニャク、がんもどき、牛筋をプラス。具は個別におでんのだしで味付けし、カレールーに合わせている。
おでんとカレーという、一見ミスマッチの組み合わせが、カレー皿の上では見事にマッチ。具材の食感を味わいつつ、楽しみながら食べられる。なかでも、小さく切ったコンニャクや、小粒でフワフワ感のあるがんもどきは、新しいおいしさ。いずれも、カレーに合うように特注している材料とかで、細かい部分までこだわりが感じられる。
また、イカスミベースの黒色カレー「キュリ・ノワール」(840円)も好評。こちらは、カレーにマッチするように、自家製のイカスミから考案した労作だ。イカスミ独特のクセもなく、かつ香りが楽しめる一品となっている。
「キーワードは、ヘルシー。どのカレーにも、コンニャクが入っていますから、カロリーが抑えられます。また、コンニャクとカレーとの相性はピッタリ。その存在感が、カレーを引き立てていますね」と、店長の田中義彦さん。
価格は、チキンベースの黄色カレー「キュリ・ジョーヌ」(630円)からと、カレーショップとしては高価格だが、フレンチならではの味の幅と、「お皿もルーも熱く、1人前ずつ仕上げる」という丁寧なサービスを踏まえれば、それも納得である。
全体的に女性客が多く、リピーターも増加中という。今後も、“大人が楽しめる”というコンセプトのそごう心斎橋本店の客層から、固定客の増加を狙いたいという。
◆「CUE」(キュー=大阪市中央区心斎橋筋1‐8‐3、そごう心斎橋本店地下2階、電話06・6244・5484)営業時間=午前10時~午後8時(テークアウトは8時30分まで)、不定休