スチコンのラショナル・ジャパン、08年売上高16億9000万円目指す 流通・販売網見直し
次世代のスチームコンベクションオーブン(スチコン)を提案する(株)ラショナル・ジャパン(東京都文京区、電話03・3812・6222、赤井洋社長)は、08年売上げ16億9000万円(昨年は13億9000万円)を目指している。
売上げ増に向け、流通・販売網を見直し、参加型の調理実演会「チーム・クッキング・ライブ」を昨年の55ヵ所から80ヵ所に拡大する。昨年からは、実際に同社製品を使っているホテル・レストランの料理人自身が同社製品の使い勝手を提案する「キッチンエキスパート」も行っており、複合的に訴求・啓蒙の機会を増やす。
08年上半期には年間生産台数を6万台まで可能にする第3工場を独・ランツベルグに建設している。投資額は2000万ユーロ(約31億4000万円)。
ラショナルの販売対象はホテル、レストラン、病院給食、集団給食など平均30食以上の業務用厨房。ユーザーの課題解決となるよう、営業・開発には現場経験のあるシェフを採用し、常に革新性の高い製品を「現場の目線」で提供している。
特に次世代スチコン「SelfCooking Center」(セルフクッキングセンター)は、世界初の自動調理機能を備え、投入量や数に関係なく、焼き色と焼き加減を選択するボタン操作だけで調理ができる。また、単機能厨房機器の40~50%を代替えするので、必要な厨房スペースも大幅に削減される。
このマルチ機能がユーザーから評価されていることは、ドイツの独立調査機関TNSインフラテスト(06年調査)の結果からも証明され、従来のスチコンンよりもメリットが4倍あるという。数々の国際表彰からも、その高い評価がうかがえる。
ラショナル・ジャパンは全国80ヵ所以上で調理実演会「チームクッキング・ライブ」を開催。販売代理店も200を超え、08年には250に増やす予定だ。ユーザーサポートでも「シェフライン」により、調理に関する質問にいつでも対応できる体制を整え、「クラブ・ラショナル」の登録でソフトウエアの無料アップグレードを可能にする。
07年に開始した「キッチン・エキスパート」も08年も引き続き継続していく予定だ。
ラショナル全体の07年の連結売上高は3億2500万ユーロ(約510億円)で、4年連続で2桁増、税引き前利益が156億円となっている。同社は、全世界の業務用厨房を250万件と推計、うち25%がスチコンを採用、75%は従来の厨房機器を使用しており、「今後ますますセルフクッキングセンターの普及が見込める」(赤井社長)という。
売上げも30年間右肩上がりで、07年の世界シェアは53%を誇るまでに成長している。