メニュートレンド:実験気分楽しむカクテル14種 「月面監獄ロックアップ2999 池袋」
歴史やファンタジーの世界観を空間、料理、サービスで表現するコンセプトレストランというジャンルでも珍しい「監獄」というダークな世界観で人気を博しているのが「月面監獄ロックアップ2999池袋」だ。内装も料理もホラー映画さながらの趣向を凝らしたものばかりだが、ひときわ強烈なインパクトを放っているのがオリジナルカクテルの数々だ。そのユニークなネーミングと見た目で、注文率100%の名物ドリンクだという。
●ビーカー、フラスコ、注射器でブレンド
オリジナルカクテルの数は14品。「麻薬中毒」「不乱兼酒多飲(フランケンシュタイン)」「OleOle詐欺(オレオレ詐欺)」などなど、ふらちな名前がずらり。ビーカー、試験管、フラスコ、注射器、スポイトなどをグラスに使い、色とりどりのリキュールで作られたカクテルは、まるで化学実験のようだ。「当店の来店客は1組平均3.5人とグループや宴会利用のお客さまが多いのですが、それぞれ異なるカクテルを注文して、お互いに見せ合ったり味見をしあったりして楽しんでいます」と店長の中村仁さんは娯楽性の高さを説明する。
オープン以来の定番カクテル「人体実験(写真右上)」はフラスコにはミルクベースのカクテル、試験管には、ストロベリー(赤)・ココナツ(青)・抹茶(緑)・バナナ(黄)・チョコレート(黒)のリキュールが入って、それらをビーカーでブレンドして色、味の変化を楽しむ。また女性に人気の「無期懲役(写真右下)」は大きなビーカーにストロベリーリキュールに泡パチを浮かべ、小さなビーカーに入っているマンゴージュースをかけて、パチパチと弾けながら溶けていく様子が楽しめる。どのカクテルも見た目のインパクトだけでなく、お客自身が道具を使って完成させるようなひと工夫がされており、この遊び心をくすぐるメニュー設計がヒットの大きな要因といえる。
フードは「監獄に閉じ込められたモンスター」というコンセプトで趣向を凝らした創作料理を60品揃える。カットウインナー5本を立てて指先に見たてた「ゾンビのオムレツ」など見た目もユニークだ。オープンして10年たつ今もグルメサイトアクセスランキング部門1位をマークするなど不動の人気ぶりだ。系列店も首都圏4店、関西2店を擁し、独自のマーケットを構築している。
●店舗情報
「月面監獄ロックアップ2999 池袋」 経営=(株)パートナーズダイニング/店舗所在地=東京都豊島区東池袋1-29-1 池袋マルビル5F、電話03・5960・6755/開業=2001年7月/営業時間=午後5時~翌午前0時(金・祝前日~翌午前1時、土~翌午前2時)、無休/坪数・席数=225.9坪・236席/客単価=3000円
●愛用資材・食材
「ブレアーズ サドンデス・ジョロキア」 輸入元=鈴商(東京都新宿区荒木町)
世界最大級の辛さを発揮
ギネスブックで「世界一辛い唐辛子」と認定されたコスタリカ産の唐辛子ブートジョロキアを主原料とした激辛ホットソース。同店では「たこ焼き時限爆弾」や5個入りミニコロッケ「最高裁最終判決」で使用しており、「当たり」として1個だけソースに仕込むことでゲーム性の高い料理となっていてグループ客に人気が高い。タバスコの数倍も辛いうえに、匂いや色で見分けがつかないため、食べたときのインパクトは絶大。揚げ物やハンバーガーなどに合う。
規格=150ml、60ml(常温)