メニュートレンド:歌舞伎町でうどん革命! 「うどんダイニング するり」

2013.05.06 410号 02面
カレー(手前)とカルボナーラ

カレー(手前)とカルボナーラ

 新宿歌舞伎町といえば、飲食店だけでも約4000店がひしめき合い、1日数十万人が訪れる日本、いや世界有数の歓楽街。この立地で新規オープンし、安定的に顧客を獲得していくには、インパクトのある看板メニューが必須だ。昨年8月、うどんの可能性を広げることをコンセプトに開店した「うどんダイニング するり」の「うどんめし」は、まさにそんな1品。“新宿の新名物”と銘打った新感覚のメニューが今注目を集めている。

 ●新宿の新名物誕生か!? 和と洋の絶妙コラボ

 うどんめし誕生のヒントになったのが、同店の「うどんカルボナーラ」。「石焼きの器で提供して、サービスでライスを付けていたんですが、残ったソースとライスをまぜてリゾット風に食べているお客さんが結構いらっしゃいました。それでうどん、ライス、カルボナーラの組み合わせはいけるかもと思いましたね」と経営する(株)テスタジャパンの吉本督郎取締役。このひらめきからメニュー開発がスタートした。

 うどん×ご飯という炭水化物のかけ合わせに一瞬、首をかしげる向きもあるかもしれないが、“そばめし”という人気B級グルメがある。“ラーメンライス”はラーメン通の定番。「麺類とご飯の組み合わせは鉄板。うどんとライスもイケる」と確信したが、実際に試作してみると、そう簡単にはいかなかった。

 「器にバターライスを盛り、うどんをのせ、ソースをかけたんですが、ライスが浮き上がってきてソースとまじり見た目が美しくない。見た目がおいしそうじゃないと商品になりませんから」と語るのは木下祐一郎料理長。そこで考案されたのが、バターライスとうどんの間に溶けるチーズを挟み、ライスを閉じ込めるアイデア。狙い通りに、味も見た目も文句なしの一品が完成した。最初はソースにうどんだけを絡めて食べ、食べ進むにつれてバターライスが登場するというのも楽しい。うどんとライスが絡み合った食感も新鮮だ。

 ソースはカルボナーラ、カレー、トマトの3種類からチョイス。どれも料理人が手間をかけて作った絶品もの。特筆すべきはだし汁。渋谷と西麻布で高級和食店を経営する(株)テスタジャパンならではの入魂のだし汁を使用している。鯖節、鰹節、アゴ、利尻昆布、どんこからとっただし汁をそれぞれのソースに加えることで、洋風ソース、うどん、バターライスという洋と和が調和するというわけだ。

 メニュー開発当初はガッツリ系の“男めし”を狙ったが、今や女性客のオーダーが圧倒的に多い。器のセレクトや美しい盛り付けなどが、女性客のハートをつかんだ証しだろう。口コミでジワジワと人気が広まりつつあるうどんめし、新宿の新名物になる日は近い。

 ●店舗情報

 「うどんダイニング するり」 所在地=東京都新宿区歌舞伎町1-2-9ベストウェスタン新宿ホテル2F、電話03・6278・9143/開業=2012年8月/営業時間=平日午前11時半~午後3時、5時~翌午前5時、土午前11時半~翌午前6時、祝前日午前11時半~午後11時、年中無休/坪数・席数=約80坪・103席/客単価=昼1000円 夜4000円/1日の平均来店客数=昼50人、夜150人

 ●愛用食材・食材:「フクキク醤油」

 猪瀬醤油醸造元(福井県福井市松本)

 うどんダイニング するりのだし汁に欠かせない醤油。調味料にこだわる同店が国内の醸造元を探して見つけ出した逸品。創業明治30年代で4代続く福井市松本の醤油蔵。麹の自然の甘さと大豆のうま味が凝縮し、砂糖やみりんなしでも奥深い甘さがある。塩角の取れたまろやかな味わいは、あらゆる和食の味付けに、また刺し身醤油としてもお薦めだ。

 規格=1.8L

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