飲食トレンド:新・東京チャイニーズ「キハチチャイナ銀座店」

2000.12.04 217号 1面

厳しい経済環境下、高級レストランの低迷がいわれて久しいが、そんな中、銀座で人の流れを変えているのでは、といわれるほど大きな反響を呼び起こしている店がある。キハチ流無国籍料理「新・東京チャイニーズ」。広東料理を柱に、世界各国、日本全国から集まる豊富な食材を使い、日本独特の季節感を表現した料理である。一方で原点回帰が叫ばれながら、他方で新しい料理が好反響を得ているという現象は、今後新旧二つの潮流に分かれることを示唆しているかにみえる。

キハチ流無国籍料理「新・東京チャイニーズ」を展開するのは、12月6日リニューアルオープンした「キハチチャイナ銀座店」。

ドアを開けると一面総ガラス張りのオープンキッチンが目に入る。従来の中国料理店のイメージを覆した設計は、客席を二、三、四階に置き、厨房と客席の位置関係を逆転させている。

二階は点心、一品料理を気軽に楽しむライトチャイニーズ。どちらかといえば若者をターゲットにする。

三、四階はゆっくりと落ち着いた雰囲気で楽しめる、コース料理を中心としたモダンチャイニーズ。

各階に特色をもたせ、目的に合わせた利用ができるが、全店「大人が愉しめる店」に仕上げてある。

メニューは、すべて中国の食材や調理法にこだわらないキハチ流「新・東京チャイニーズ」。

国内産魚介類や野菜で季節感を演出、調味料も韓国風、イタリア風、和風自由自在に取り入れる。

飽きさせず旬を味わえるよう一ヵ月半ごとに替わるコース料理。11月末には脂ののったアンコウや鴨肉、海の幸のタラバガニ、伊勢エビを使い、壬生菜、青首大根などと合わせている。

キハチ流無国籍料理をひっさげ「世界のキハチ」に夢馳せる熊谷喜八シェフ。国内では東京、名古屋、大阪へと着実に拠点を据えるが、二一世紀には、アジアから世界に向け突き進む意気込みをみせる。

◆「キハチチャイナ銀座店」(東京都中央区銀座三‐七‐一、03・5524・0761)営業時間=各階異なり、三・四階のモダンチャイニーズはランチ午前11時30分~午後2時30分(ラストイン)、ディナー6時~9時(ラストイン、日曜は8時)

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