丼チェーン特集、ロス発進の逆輸入、ザ・ライスロード

1994.06.20 54号 12面

ファストフード感覚をコンセプトにした丼メニューで、「ザ・ライスロード」はユニークな展開をしている。同店を手掛けるのは、下ごしらえの業務用食材メーカー、(株)エム・シーシー食品。同社の東京ショールームに、食材のPR、メニュー提案をするため昨年の3月にオープンした。新しい丼店の販売形態を啓蒙する場として、連日近隣のサラリーマン、飲食店関係者でにぎわっている。

実はこの「ザ・ライスロード」は、すでに同社がロサンゼルスで展開しているもので、いわば逆輸入して出店した形。日本では類を見ない丼が目白押しで、現地の流行もいち早く分かるのだ。外米に合った丼を知る上でも一見の価値がありそう。「本場のファストフード(FF)の効率化と手間の省ける業務用食材を折衷させるのが狙い」(岩崎聡店長)

人気メニューは「エビチリボウル」(七五〇円)、「ヤキニクボウル」(七五〇円)、「ハンバーグボウル」(七八〇円)など。サイズもミディアム、ラージ(一〇〇円増)とアメリカばり。日替わりスープ(一五〇円)はお替わり自由で、ボルシチの時は、それを目当ての来客も多い。オーダーはカウンター方式で、三〇秒をメドにしたクイックサービスでケータリングされる。またメニューのレシピもその場でもらえる。併設するショールームで食材を購入し、自身の店のメニューにする飲食店も多いとか。

同店の当面の課題は、出来たてを損なわないよういかに小刻みな作り置きをするかだ。一度の大量調理で作り置きすると味が落ちる。完全ツーオーダーだと回転率が悪い。飲食店にとって慢性的なこれらの課題を解消することである。食材メーカーからの提案を確立するため、同社の営業マンが自らのキッチンに入り、マニュアル作りに日夜取り組んでいる。

同店はあくまでもショールム的な運営方針のため、ロサンゼルスのように多店舗化する予定はない。だが「この店の形態、メニューを参考にしてもらえれば光栄です」と、アドバイスは惜しまない。

▽「ザ・ライスロード」=東京都港区高輪、Tel03・3442・0758

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