ウイング高輪(東京・品川)の繁盛店 京急・高輪、固定客8割が強味
京急開発グループの経営でウイングでは最も規模の大きい店だ。店舗面積約一七〇坪、客席数二〇六、うち一一〇席が宴会席だ。
料理は北京料理が基本だが、味づくりは日本人向きにアレンジしてある。料理はこの道三〇年の巖公章(49歳)総料理長が作るので確かだ。
グランドメニューは約一〇〇品目をラインアップしているが、もちろん、客の要望があれば定番以外のものも提供できる。
しかし、この店は固定客が七、八割と多いので、客をあきさせないために、週替わりや季節ごとにメニューを企画しており、提供料理は常にエキサイティングだ。
たとえば、今年2月から3月末までは「特撰コース」(税・サービス料別六〇〇〇円/オードブル春飾り、ハマグリ入り中国風茶碗蒸し、伊勢海老の黒豆炒め、グリーンアスパラと舌平目の炒めもの、骨付き豚ロース肉の香り揚げなど一〇品)を提供していたが、これに代わって4月から6月末までは「謝恩特撰料理」(同六〇〇〇円)を企画している。
料理は同じく一〇品で、オードブル回転皿盛り、大正海老のマヨネーズソース炒め、ウナギの四川風辛味炒め、カニ爪のトースト揚げ、牛肉のグリーンアスパラ添え、春竹の子と海老玉子の醤油煮、ハタの塩菜蒸し、なめこ入りスープ、五目チャーハン、中国風フルーツポンチなどをセットにしている。このほか、5月16日から6月30日まで「フカヒレフェア」のメニュー企画も策定している。
これは極上椎茸とフカヒレの姿煮(一枚四〇〇円)、カニの玉子入りフカヒレ姿煮(同)、三種肉入りフカヒレスープ(小二〇〇〇円)、キノコ入りフカヒレスープ(同)など七品目だ。
もちろん、ランチサービスも実施している。揚げ豆腐のとうがらし煮込み一〇〇〇円、すぶた一二〇〇円、牛肉の煮込み一四〇〇円、中国風エビどんぶり一六〇〇円など四品目が週替わりの定番メニューだが、このほか料理五品とごはん、お新香、杏仁豆腐、コーヒーをセットにした定食(二三〇〇円、三〇〇〇円、五〇〇〇円)もラインアップしている。
客層はランチ利用がサラリーマンやOLが中心。ディナーや宴会客は会社利用やファミリー客、カップル、女性客と様々だ。
客単価は昼一四〇〇円、夜五〇〇〇円。宴会利用は八〇〇〇~九〇〇〇円で、平均月商三五〇〇万円をキープしている。
売上げ構成比は一般客六五%、宴会客三五%で、客層は男性客六割、女性客四割だが、宴会の場合は九割が男性客だという。
「料理の質と価格の値ごろ感がお客様のニーズにフィットしていることで、消費不況といっても、私どもの店はその集客に苦労しているということはありません。やはり店の売りものは何かということと、質のいいサービスを提供していくことが大事なポイントと考えております」(中澤徹支配人)。