神楽坂商店街 うなぎ料理「志満金」 124年の伝統守る
《志 満 金 うなぎ料理 》 神楽坂では古い部類の店に入る。創業明治2年(一八六九年)というから、今年で一二四年が経つ。創業時は牛鍋屋だったというから、文明開化時の最先端レストランとしてのスタートを切ったわけである。
しかし、事情があって、明治の中ごろから今の鰻の店に変った。料亭が建ち並んできたので、牛鍋より情緒のあるうなぎ料理がピッタリくると判断したようだ。
代が変って現在は四代目の加藤怜さんの経営であるが、一三年前からは店舗を地下一階、地上五階のビルに改装して、地下が中国料理、地上一、二、三階が割烹、蒲焼の店というように業容を拡大した。
四、五階はテナント出店としてジローレストランが入居している。自社ビルでの営業があるので、ゆとりのある運営が可能となっており、店舗も余裕のある構えとなっている。
店は一階がテーブルで二六席、二階同三六席、三階が座敷で六、七〇人収容となっており、看板料理のうなぎも単品メニーで一五〇〇~三〇〇〇円、吸いもの二〇〇~三〇〇円と安い価格帯にある。
「古ぼけた店で若者うけもしない店ですから大いしたことは何一つありません、可もなし不可もなし、親からの仕事を受け継いで地道にやっているだけですよ」と店主の加藤怜さんは謙そんする。
店の利用客は平日は勤め人が多いが、土日祭は法事や婚礼客などが主体になる。客単価三五〇〇円、中国料理合せて年商六億円。ちょっとした中小企業の存在である。