ホロ酔いガイド 焼酎の酒類 甲類と乙類の違い

1992.09.21 12号 23面

焼酎の種類 焼酎は、原料の種類と製造方法により甲類焼酎と乙類焼酎と、それをブレンドしたものの3種類に分けられる。以下にその内容を解説する。

《カクテルベースに》(1)甲類焼酎‐焼酎は製造方法では、ウイスキーと同様単式蒸留機で造るものと、連続蒸留機で造るものとにより種類や味が違ってくる。

前者で造るものは一回だけの蒸留のため、原料からくる味や香りが多く残っていてそれだけに個性が強いが、続連蒸留機で造られるものは、よく精製されて味や香りの残りが少ない。前者を乙類焼酎といい、後者を甲類焼酎という。

甲類焼酎のアルコール度は三六度未満で、外見上の色彩からホワイトリカーとも呼ばれる。市販されるものにはアルコール度が三五度、三〇度、二五度、二〇度の各種類がある。容器も一・八㍑びんから始まり、各種のものがあり、最近は持ち運びに便利なペットボトルもふえてきた。味は淡白で、オンザロックや水割り、お湯割り、また梅やブドウのジュース等で割っても飲まれる。

このような果汁を利用してブレンドし、アルコール度を低めたものは缶チューハイ等の形で製品化されているが、これらは酒税法上は焼酎ではなく、リキュール等の種類に属する。甲類焼酎の二次製品とみてよい。

このようなことで、甲類焼酎は各種のカクテルのベースとしても用いられる。原料はコーン、大麦、廃糖蜜などが主に用いられる。最近は樫bMなどで長期貯蔵し、高品質化するものがふえてきた。

《ブームの口火に》(2)乙類焼酎(本格焼酎)‐これに対して乙類焼酎は、前述の通り単式蒸留機で蒸留されるので、原料の味や香りが残る。

原料としては、米を主原料にしたものは米焼酎、サツマイモを用いたものはイモ焼酎、大麦を用いたものは麦焼酎、その他いろいろあり、ソバはソバ焼酎、黒糖は黒糖焼酎といわれる。

乙類焼酎は別名本格焼酎ともいわれる。アルコール度は四三度くらいから二〇度くらいまであるが、中心になるのは二五度ものである。容器も甲類同様一・八㍑びん詰他各種のものがある。

最近は、乙類焼酎も飲みやすくするため、ミクロフィルターなどを使って味や香りをソフトにしたものが出回るようになり、焼酎ブームの原因の一つとなった。

《高級品は長期貯蔵》(4)泡盛‐泡盛は沖縄県の伝統的特産品で、黒麹菌で作った米こうじのみを原料としている。独特の豊かな香味があり、高級品は長期貯蔵し、クース(古酒)として出荷される。普通品のアルコール度は三〇度の製品が最も多いが、古酒は三五度~四三度がほとんどである。

オンザロック、水割り、お湯割りなど楽しく飲む方法がある。

《甲乙混合で》(3)ブレンド焼酎‐甲類焼酎も、乙類焼酎のこのような傾向を反映して、昭和50年代後半になると甲類焼酎に乙類焼酎をブレンドしたものが出回るようになり、このようなブレンド焼酎の出現もあり、味にバラエティーが多くなった。

(㈱東京マーケティング社長・宮川東一)

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