すし店のパワーアップ戦略 「千代田鮨」家庭内コンビニニーズ対応
持ち帰りずし専門チェーンの「ちよだ鮨」(チェーン一五〇店)は、既存店舗のテコ入れ策として宅配ずしの併設展開に乗り出した。実験店の吉祥寺店でノウハウを固め宅配専門、併設展開、いずれかの方向で新業態化する意向だ。
実験店には屋号が二つ。イートイン部門は従来のままの「ちよだ鮨」で、宅配部門は漢字名の「千代田鮨」。屋号の使い分けで、それぞれの専門店イメージを色濃くしオーダーシーンの差別化を訴求。ユーザーターゲットのすみ分けで新規層開拓を狙う。
ハード面については厨房に宅配専用ラインを増設、宅配用に二輪スクーターを三台導入。ローリスク、ハイリターンをもくろむ売上げアップ予測は、バイク台数換算で約三〇〇万円といったところか。
「家庭内のすし需要増傾向に対応するのが宅配部門のテーマ。コンビニエンス性を前面に展開し、CVSの弁当、SMの包装ずしのシェアを切り崩したい」と同社広報担当の服部良氏。ほかのすしチェーンの宅配参入機運に負けじとの意気込みが伝わる。
ちよだ鮨は、水産卸の中島水産系統の外食チェーン。中島水産はダイエーグループの一社。この先、ちよだ鮨チェーンの宅配部門をバックヤードに、ダイエーグループ各店で惣菜ずしの販売強化なんかが始まるかもしれない。
◆「千代田鮨」(吉祥寺店=東京都武蔵野市吉祥寺本町一‐八‐一〇、Tel0422・28・7300)
○主なメニュー
つきじ(四人前)七八〇〇円、同(三人前)五八〇〇円、うおがし(四人前)五八〇〇円、同(三人前)四八〇〇円、つきしま(四人前)四八〇〇円、同(三人前)三八〇〇円、ちよだ(一人前)二〇〇〇円、たつみ(同)一七〇〇円、ゆしま(同)一四〇〇円、はるみ(同)一二〇〇円、とよす(同)一〇〇〇円、ちらし丼、鉄火丼、ねぎとろ鉄火丼(各一人前)各一〇〇〇円、いくら丼、海鮮丼(各一人前)各一四〇〇円、三色丼(一人前)一七〇〇円
○メニュー構成のポイント
従来の宅配ずし業態になかった団体向けアイテムのネタのグレードによる価格帯設定。四人前と三人前の二パターンでグレードを四段階(七八〇〇~二八〇〇円)に分けている。