旭化成酒類事業部、低アル清酒「富久娘遊々10」発売
旭化成工業(株)酒類事業部(東京都墨田区、03・5610・3648)は、二一世紀の健康志向社会・高齢化社会に適応し、環境問題にも対応することを目的とした新しい清酒を開発した。商品名は、「富久娘遊々一〇(ゆうゆうてん)三六〇ミリリットル紙パック」。アルコール分一〇%で、カロリーも従来品に比べて約三〇%低減。コメ一〇〇%を原料としているため低アルコールでありながら、淡麗でキレがある味わいを実現した。容器も業界初の三六〇ミリリットルノンアルミ紙パックを採用。リサイクルや可燃ゴミ処理が可能なうえ、開栓すれば、そのまま電子レンジで燗(かん)もできる。同社は、環境と健康をキーワードに、時代にマッチした差別化商品の投入で清酒市場の活性化を目指す。27日、全国発売。
富久娘独自の低アルコール技術で、アルコール分を通常清酒の約三分の二に抑えた。アルコールのさめも早く、二日酔いになりにくいのも特徴。しかし、清酒本来のしっかりとした味わ
いと飲みごたえを維持し、冷やでも燗でもおいしく飲める。
容器は清酒業界初のコンパクトな飲みきりサイズ、三六〇ミリリットル紙パックで、電子レンジで温めても徳利より冷めにくい特性を持つ。容器の大きさは、六〇角と狭い店頭スペースでも並べやすく、CVSやSMなどの棚にも十分対応可能。
清酒業界では大容量化が進む一方で、低飲量層と新業態店をターゲットとした少容量製品の流れがあることも確か。特に、規制緩和によってCVSをはじめとする新業態、組織小売などの新規参入がすでに始まっており、メーカーにとっては新たな市場として見逃す存在ではない。
これらの業態は限られた少スペースで、商品選別も厳しい。少容量製品は、そこに次の生き残りをかけたメーカーの“ニッチ”をめぐる戦いといえる。不振にあえぐ清酒業界だけに、わずかなニッチも“金のなる木”にしなければならない。果たしてニッチは、宝の山なのか。
▽アルコール分=一〇%以上一一%未満▽原材料=コメ・コメこうじ▽使用米=あけぼの▽精米歩合=七三%▽日本酒度=マイナス二・〇▽酸度=一・四▽アミノ酸度=一・七▽使用酵母=協会七号▽希望小売価格・税別=三五〇円▽荷姿=ダンボール箱一二本詰