ファミリーマート、都内2店舗で「5ADAY野菜たっぷりキャンペーン」展開
メタボ対策や健康増進の基本として野菜摂取の重要性が高まる中で、ファミリーマートは野菜摂取啓発を推進するファイブ・ア・デイ協会に賛同し、野菜商品をキーにした食育活動を展開している。今年4月から野菜を食べようのメッセージシールをサラダ商品に貼付し、11月23日~12月7日には都内2店舗で「5ADAY野菜たっぷりキャンペーン」を展開して野菜摂取の大切さを伝えるPOPを使ってサラダやカット野菜など青果販売を強化した。
同社は3年前から青果、鮮魚、精肉など生鮮コーナーを充実した「ファミマフレッシュ」を展開している。現在1200店に拡大し、中高年層など新たな客層の獲得にも貢献している。
商品本部ファミマフレッシュ推進部商品グループサラダ・青果商品担当の木内智朗氏は「ファミマフレッシュが目指すのは『内食』と『中食』の中間帯。素材を買ってきて調理して食べるよりは、ずっと手軽にすぐ食べられる状態の食品、例えば加工肉やカット野菜、キット食材などの日配品を、それぞれ1人で食べ切れる量で品揃えしている」という。使い切り野菜・簡便野菜は20~30アイテム程度をラインアップする。例えば、モヤシ1袋は通常の約半量150g(40円)と使い切りサイズにして好評だ。また、4度C以下という低温度帯のショーケースを設置して「刺身」「ローストビーフ」など取扱い品目の幅を広げた。
ファミマフレッシュのコア利用層は40~50代男性。単身者、高齢者の利用も多い。夕方~深夜の時間帯利用が多いことも特徴だ。ファミマフレッシュの導入は、利用者層のみならず利用時間帯の拡大にもつながっているという。
5ADAYの取組みは青果物販売に絡め、健康な身体作りのきっかけとなる食育活動として導入された。第一段階として4月7日から、人気のサラダ製品に5ADAYのロゴと1日分の野菜摂取目標量350g(5皿分)を記すシールを貼付した。8月25日には1パックで350g以上の野菜がとれる「1日分の野菜サラダ」を販売し、順調に売上げを伸ばしている。
「5ADAY」は「1日に5皿分(350g)の野菜と、200gの果物を食べよう」という健康増進運動。米国で発祥し、スーパー店頭でのメッセージ発信から発展して現在世界30ヵ国以上で展開されている。日本のファイブ・ア・デイ協会には食品企業139社(うち小売業87社)が加盟し、スーパーで行う「食育体験ツアー」には年間2万5000人の小学生が参加している。CVS業態での本格的な啓発活動はファミリーマートが初めて。
同協会の入谷靖子事務局長は「CVS業態での野菜摂取啓発は大変意義深い。都心でも郊外でも24時間気軽に立ち寄れるコンビニエンスストアは単身・高齢・少人数世帯と多様化する現代人の生活体系に欠かせない買物の場。今後は野菜商品にロゴマークを表示するだけでなく、各商品への野菜量表示をはじめ、生活者にとって有用な野菜情報表示のあり方についても業態に合わせた各方面の意見を聞きながら提案していきたい」という。
木内氏は「野菜を食べなきゃとわかってはいるけど……という人にも気軽に毎日利用してもらえるハードルの低い野菜商品を開発したい」とし、「野菜は『副菜』と呼ばれるように『主』ではなく、何かと一緒に食べる位置づけ。今人気の『スパサラ』のように主食(麺・ご飯など)や主菜(肉・魚など)と野菜を組み合わせ、1品でボリューム感も満腹感も得られバランスもよい、複合的サラダへのニーズは高い。一方、おにぎりやパン・麺に野菜惣菜をプラスする、単品の買い合わせ訴求も重要だ。野菜を買う魅力的な動機たるべく、5ADAY自体の認知度が一層向上するよう業界挙げて啓発に努めることも必要」と野菜をいかに楽しく食べるかをさらに探求する、という。
(高木直子)