東邦食品、特産品の用途開拓で「干瓢ジャム」を9月から発売
北関東の有力菓子メーカー、東邦食品㈱(栃木県真岡市、02858・2・3493)は、夕顔果実(干瓢のふくべ)など、栃木県の特産品を主原料にしたジャムを今月から新発売した。「かんぴょうじゃむ」「かんぴょうじゃむ・柚風味」「女峰■じゃむ」の三種類で、特に干瓢を使ったジャムは、全く新しい素材を使ったジャムとして、また夕顔果実の新用途開発に弾みをつけるものとして注目を集めそうだ。
栃木県は夕顔果実の産地として名高いが、夕顔果実はこれまで、干瓢に加工される以外に用途に乏しかった。
この夕顔果実の用途に新たな道を開いたのが、東京田辺製薬だ。同社は、夕顔果実に豊富な食物繊維や、カルシウム、カリウム、リン、マグネシウムなどのミネラルをはじめ、糖類、有機酸、アミノ酸が含まれていることに着目、先に粉末化した食品素材を開発していた。また、このほど夕顔果実をピューレに加工した「夕顔ピューレ」(商品名)を食品素材として開発、販売を開始した。夕顔ピューレは、夕顔果実の色、香り、味と栄養価を保っており、ドレッシングやマヨネーズ、ソース、ゼリーに加えると異臭を除くうえ、うま味を増すほか、とろみを付与することも可能で、従来の干瓢の持つイメージを一新させた食材。
東邦食品の「かんぴょうじゃむ」は、夕顔ピューレを使用した第一号商品であり、夕顔果実を本来の姿に最も近い形で賞味できる。また、同じく栃木県の特産であるユズの香りを添加した「柚風味」と、栃木の誇るイチゴ「女峰」を主原料とした「女峰■じゃむ」も同時発売、地場原料を活用した商品として育てていく方針だ。
栃木県は干瓢の特産地として、全国の九割以上の生産を誇るが、干瓢の消費量の変化とともに、夕顔の作付けも年々減少傾向にある。夕顔果実の用途拡大は、地場農産物の振興の点からも注目されそうだ。
各一五五㌘、三個入り箱×一二で一ケース、希望小売価格はバラ売り各五〇〇円、三種類セット一五〇〇円。