食中毒にも納豆が効く? 緊急公開セミナーでアピール
この夏ほど食べ物に気をつかった年がかつてあっただろうか。日本中が振り回された病原性大腸菌O157事件。原因が特定できないまま、秋になり一応沈静化されたが、いまなお発症者が出ている状況だ。
その状況を受け日本工業技術振興協会が「納豆のもつ機能について」の緊急公開セミナーを先月初旬に開催した。
今回のセミナーでは、九州大学農学部遺伝子資源研究センター・原敏夫助教授が「納豆は地球を救う」、東京工業大学資源循環研究施設長・正田誠教授が「枯草菌・納豆菌の抗菌作用について」、倉敷芸術大学機能物質科学科・須見洋行教授が「O157に対する納豆の効果」‐‐をそれぞれ講演、質疑応答が行われた。
とくに「納豆博士」に異名を持つ須見教授は赤痢、チフスなどの法定伝染病に対し伝統食品である納豆が昔から一種の薬として使用されていた事実を報告。さらにO157を含めた食中毒菌に対する納豆菌の抗菌作用を紹介した。
納豆中の有効成分とその利用法、また腸内病原菌の原育を抑制する作用がありブドウ球菌、赤痢、チフス菌、そしてO157に対しての効果を確認したことを報告した。
食中毒の最も危険な季節は過ぎ去ったが、引き続き研究が進むことが望まれる。