給食特集 アサヒビール本社(運営・フジ産業)
今年1月、アサヒビール(株)(東京都墨田区吾妻橋)の本社社員食堂は、優良給食施設として農水省から表彰された。平成元年の新本社ビルの完成にあわせて上階(一三F)に設けたため、眺望が良い。下町という場所柄、付近に大きな建物がないこともあり、眼下には隅田川、桜で知られる隅田公園、西には新宿の高層ビル群、富士山など一望に見渡せる。
委託業者は、約一六〇ヵ所の施設給食などを請け負うフジ産業(株)(東京本部=東京都品川区南大井三‐六‐七)。席数は一四四席。アサヒビールと関連社員約六〇〇人のうち、一日平均利用者は約五二〇人(午前11時30分~午後1時の営業時間内に三回転)。間接費(委託料ほか)は会社負担で、直接費(食材料費分)だけが個人負担のため、利用者一人当たりの単価は約三〇〇円。精算方法はキャッシュレスのIDカードで給料控除となっている。
メニューは、四季ごとのものをはじめ、メーンディッシュは毎日四種類、ほかグリーンサラダ、副菜数種類、麺類、カレーも毎日日替わり、その上カフェテリア方式で好きなものが選べる。
魚料理、和食、洋食、中華料理など一日のメニューの中で偏りなく組み合わせるとともに、各メニューにはカロリー表示をするなど健康管理にも気をつかっている。
フジ産業アサヒビール事業所の笈川住久マネジャーによると、温かいものは温かく、冷たいものは冷たく提供するとともに、野菜はシーズンオフがなくなっているため魚料理によってメニューの季節感を出すよう工夫、麺類など一部商品を除き冷凍食品は使わず、フライ類でも生パン粉を使って客を見ながら揚げるといった工夫も見せている。
月一回はアサヒビール、フジ産業のそれぞれの担当筋が集まっての「給食委員会」を開き、新メニューを検討、常に老若男女にあわせて対応できるメニューづくりを心がけている。
テーブルは、多人数用の丸テーブルと四人掛け用の角テーブルで、一人でもグループでも楽しい食事がとれる。椅子も前に座っていた人のぬくもりが残らない一脚二万円というイタリア製。床はカーペット敷きにするなど、雰囲気作りにも十分に気をつかっている。