メニュートレンド:大阪人の潜在ニーズにアピール! 納豆かけご飯専門店オープン
「大阪人は納豆嫌い」といわれているが、総務省の家計調査によると、2018年の大阪市の納豆の世帯支出額は2939円と、5年前に比べて約145%の増額。調査対象52都市でのランキングでは48位と下位ながら、近年の健康志向の高まりとともに、大阪でも納豆好きが増加している感がある。「※710」は、大阪では珍しい“納豆かけご飯専門店”。さまざまなスタイルの納豆ご飯をアピールし、人気上昇中である。
●夜は納豆の創作料理を提供 自分好みにカスタマイズOK
今年1月、大阪・本町のオフィス街に誕生した同店。昼は“納豆かけご飯専門店”、夜は“納豆創作料理と日本酒の店”として運営し、OLやサラリーマンからの支持を集めている。
オープンのきっかけは、共同経営者の一人が大の納豆好きであることから。「外食でも納豆が食べたいのに、大阪には専門店がない。昼から楽しめる店をやったら面白いのでは」という発想からスタートしたという。
重要になるのが、主役になる納豆の選択だが、もう一人の経営者、湯川麻子さんによると「実は、私は納豆が大嫌い。苦手な人にも自信を持って薦められる、私も食べられる銘柄を探しました」。20種類ほどを試し、特有の匂いが控えめで、湯川さんが「初めて食べられた納豆!」と感激した製品を採用。納豆は、「一番うま味を引き出せる」と、毎朝400回かき混ぜて用意する。タレは、毎日とるだしに、数種の醤油をブレンドした自家製だ。
ご飯は、小・中・大(プラス料金なし)から、納豆は、小粒納豆またはひきわり納豆から選択。ネギと黄身をのせた「ベーシックスタイル」(680円)に、23種類あるトッピングから好みの味をプラスすることもできる(温玉+50円、他+80円)。トッピングには、チキンラーメンやアボカドなどのユニークな味もあり、新しいマッチングに挑戦するのも楽しい。
自分好みにカスタマイズできるのが同店の特徴だが、店がオススメする9種類の組み合わせスタイルも提案。一番人気は「ねばねばスタイル」で、健康効果が期待できる食材の組み合わせが魅力だ。また、ご飯を、カリフラワーライスと白米のハーフ&ハーフに変更することも可能(+300円)。糖質やカロリーが気になる女性のほか、男性からのオーダーも増加中とか。
昼は女性客が6割で、食べやすいという評判を聞き、納豆に初チャレンジする人も多く来店しているという同店。夜の営業では、日本酒に合う納豆のアレンジメニュー約15品のほか、一品料理も提供し、納豆の好き嫌いにかかわらず利用しやすい店を目指している。
●店舗情報
「※710(コメナナイチゼロ)」 所在地=大阪市西区靱本町1-13-4/開業=2019年1月/坪数・席数=8坪・18席/営業時間=11時~15時、17時~22時。日曜、祝日休/平均客単価=昼800円、夜2500円
●愛用資材・食材
「極光(きわひかり)納豆」 エイコー食品(大阪府門真市)
匂い控えめで創作料理にも
同店で愛用するのが、大阪の納豆メーカーが製造する本品。北海道産小粒大豆を使用し、大豆の食感やうま味にこだわって作られ、全国納豆鑑評会で5度の受賞歴を誇る商品である。同店では、特注で発酵の度合いを調整した製品を使用。匂いが控えめで、日本酒に合う創作料理が実現できるのも魅力という。