緊急事態宣言:首都圏SM、安定供給・従業員ケアが課題
首都圏SM各社は、すでに高止まりしている需要への対応が課題となる。対象都府県では、緊急事態宣言の発令報道が出た月曜時点から客数は一段と増えている。
需要増への対応課題は大きく二つ。一つは商品の安定供給だ。備蓄需要の高いカテゴリーを中心に供給量が増えており、センターから店舗へ増便体制を取っても充足し切れていない。冷食などカテゴリーによっては発注制限をかける場合も出ている。品出し・レジ対応など店舗の業務負担は増えており、多くのチェーンが本部応援を強化している。
課題の2点目は、業務負担が増すことによる現場の疲弊だ。先月から続く需要の高止まりですでに負荷が重くなっている上に、緊急事態宣言下で食需要を満たすルートが制限されると、一層の業務増は避けられない。感染者の拡大で働き続けることへの不安も広がりつつあり、働き手の確保が難しくなることも懸念されている。激務が長期化する中で、従業員ケアの重要性が増している。
こうした課題の上に、緊急事態宣言を踏まえた自治体ごとの要請に対処する必要も出てくる。夜間など営業時間を短縮するケースも考えられる。また、チラシ販促は安定供給や混雑緩和の観点から、すでに多くのチェーンが休止している。休止期間の延長は避けられない状況で、これまで継続してきたチェーンも今後の対応は不透明だ。(宮川耕平)