#元気いただきますプロジェクトNEWS:道の駅 蛍街道西ノ市 地域と人つなぐ拠点
◇インターネット販売推進事業=道の駅 蛍街道西ノ市
●プロジェクトに手応え
道の駅蛍街道西ノ市は山口県下関市豊田町中心部の主要県道下関長門線沿線に位置する。運営主体は豊田ふるさとセンター。駅舎はホタルの里として知られる豊田町の田園風景を基調に昔ながらの農村集落をイメージしたもの。天然温泉、レストランなど憩いの場を提供、地域観光情報の発信にも努める。
豊田町自慢の農産物が豊田梨。幸水、豊水、二十世紀、あきづきなど、多様な品種を扱っている点が大きな特徴だ。豊田梨は8~9月に本格的な旬を迎え、来店者数が最も多くなるのもこの時期。今年はコロナ禍の影響もあり、客足の増加ペースは緩やかに推移した。
豊田梨に関しては、旬の果物であるため年間を通じた供給が難しい。そこで同道の駅では、豊田梨の果汁を使用したオリジナル加工食品を開発し販売する。例えば、チーズケーキやゼリー、カステラ、ワインといったものがある。またナシは味だけでなく、食感も含めて楽しむ果物だとし、そこを炭酸の飲み口でカバーした商品としてナシサイダーを考案。開発は、若手女性社員が中心となって取り組んだ。大きなヒットにつながり同品は完売に。来年の販売シーズンに向け、現在商品のブラッシュアップを検討中。
農林水産物は、地域と人々をつないでくれる存在。「旬の野菜や果物があるからこそ、豊田町に人が来てくれる」(福本憲嗣駅長)という思いがある。商品の魅力を訴求し販売する。結果的に、生産者の収入確保に貢献する。それが大きな役割だと考えている。
そんな中、訪れたのがコロナ禍による店の休業。別の販路を検討する中で、一つの可能性と考え「#元気いただきますプロジェクト」の中の一つ、インターネット販売の送料を支援する「インターネット販売推進事業」への参加を決めた。プロジェクトでの活動に対しては、一定の手応えを感じている。またEC(電子商取引)において、「集客から販売までの一連の流れを担う人材」の大切さを実感できた点も収穫として挙げる。「よんなな応援バコキャンペーン」に関しては、3ヵ月弱という短期間に多くのお客さまに購入してもらえたことに驚かされたとしている。和牛、ジビエと生産者からは「コロナ禍で『#元気いただきますプロジェクト』があったからこそ、月生産目標が達成できた。助かった」といった声が上がった。
今後については、まず駅内で「買いやすい売場づくり」「生産者と連携した販促イベントの実施」などの基本を徹底して継続する。同時に新たな販路開拓について、実践を重ねながら方向性を模索していきたい考えだ。結果として、生産者が安心して長く農林水産物を供給できる環境を目指す。(大屋良太)