宅配事業に新たな活路 「ピザ・ハット」「菱膳」の場合
デリバリー業態はユーザーから店舗が見えない。したがって複合化した場合、運ぶ商品ごとに別々の専門店の“顔”を打ち出せる。また、複合化にはアルバイト、機器、コストなどさまざまな面で共有化が図れるメリットもある。
「ピザ・ハット」とデリバリー弁当「菱膳」のタイアップがその代表例だ。ピザの需要は夕方および休日にかたよっている。日中の空き時間の利用を目的に、デリバリー弁当「菱膳」を複合化した。
弁当の需要は平日の昼にかたよるため、双方のセールスがふくらんでも過剰オーダーは皆無でオペレーションはスムーズなまま。昼夜、曜日を問わず店舗をフル稼働させる効率化を図っている。
「ピザ・ハット」「菱膳」の出店コストは、それぞれ二〇〇〇万円強だが、それと同規模の店舗を複合化しても二五〇〇万円~三〇〇〇万円ほどという。最近では本体の「KFC」とのタイアップを始めるなど、デリバリー事業に本腰を入れる考えだ。