クアンパイサン・フード・プロダクツが製造する魚缶「プンプイ」シリーズ。増産が計画されている=提供写真
タイの魚缶市場が大きな転換期を迎えている。新型コロナウイルスの感染拡大によって欧米市場などで需要が拡大。昨年は主力のツナ缶の輸出が急増した。ところが、ワクチン接種が進んだ今年は、外食に出る人が増えるなどして一転減収に。一方、タイの国内市場では長引く感染者の高止まりから緊急時の保存食としてのニーズが増え、さらには10年ぶりの洪水懸念から非常食としての需要が拡大しているのだ。メーカー各社は経営の多角化を進めながら、慎重にリスクを回避していく方針だ。(バンコク=ジャーナリスト・小堀