イトメン、「残念な会社」返上へ 1年ぶりサンプリング再開

背負子を背負って懸命に配布する伊藤喜忠専務

背負子を背負って懸命に配布する伊藤喜忠専務

 【関西】イトメンの伊藤喜忠専務が背負子に「チャンポンめん」を背負って、各地でサンプリングを実施する「もう残念はイヤだ。オレは頑張るキャンペーン」が、約1年ぶりに再開。8日に石橋阪大前駅前(大阪府池田市)でサンプリングを行った。

 –日清食品創業者の安藤百福が、偉業を成し遂げた日から遅れること数ヵ月、兵庫県の田舎、龍野市(現・たつの市)で世界で2番目のインスタントラーメンが生まれた(イトメン調べ)。「日本で2番目に袋麺を作った企業なのに売上げ、シェア、知名度は2番にはならなかった。あえて言えば、ごく一部の地域を除いては、知る人は少ない。『残念な会社』である」–として、15年「残念なイトメン応援キャンペーン」を展開し、話題となった。それを受けて、同専務が「もう残念はイヤだ」と、各地でサンプリングを実施し知名度をあげるストーリーだ。

 しかし、満を持してのキャンペーンは、コロナ禍でサンプリングが思うように実施できなかった。しかし感染状況も落ち着き1年ぶりに実施となった。

 配布は1000個を予定。イトメンのTシャツを着たスタッフの「チャンポンめん」は順調に受け取ってもらえるが同専務は大苦戦。背負子を背負った中年男性が道行く人にチャンポンめんを渡していくという企画は、設定を知らない人にはあまりにシュールで、引き気味にスルーされることも多く同専務はメンタルをやられていた。

 「受け取っていただける方、いただけない方いろいろ、いらっしゃるので、何とか受け取ってもらえるよう声掛けをしていく」(同専務)とした。

 池田市といえば安藤百福が自宅裏庭に建てた研究小屋で世界初のインスタントラーメン「チキンラーメン」を生み出した地だが「それとは関係なく、近くのスーパー『シェフカワカミ』で新たに取り扱いしてもらえるようになったので」(同専務)とした。

 前回のキャンペーンはネット中心だったが、今回は実際に販売している店舗があるなど、直接購入につなげる狙いがある。「北に向けて、月に1回のペースでサンプリングを実施したい」(同専務)とする。

 サンプルを受け取った桐山靖子さんは「イトメンのCMは流れていて、よく食べる。この辺りではあまり売っていないので、スーパーにたくさん並べてほしい」とした。(服部泰平)

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