多忙でも読める外食ニュース
●アトムが新業態出店 カフェ事業に参入
コロワイドグループでステーキ、回転寿司、焼肉などを展開するアトムが、新業態のカフェブランド「小さな森珈琲」を出店した。同ブランドは新潟、福島、茨城の3店舗を同時オープン。「自然」をテーマに、「第二のリビングルーム」というコンセプトで店内を6つのゾーンに分け、利用客の用途に応じた使い方ができるデザインとなっている。メニューはパンケーキを中心に、サンドイッチやパスタなどを含む食事アイテム、スイーツなどを揃えた標準的なスタイル。
解説=同社は回転寿司チェーンとして拡大し、コロワイドグループでステーキや焼肉、居酒屋などのブランドを含めて展開している。郊外の独立店舗も多く、今回の3店舗はいずれも既存のダイニング「寧々家」を業態転換したものだ。
●ロイヤル、商社の双日 カフェの合弁会社設立
2021年に資本業務提携契約を締結したロイヤルホールディングスと総合商社の双日が、カフェ事業の展開を目的とした合弁会社、双日ロイヤルカフェを設立した。この新会社は、日本国内における「コスタコーヒー」の店舗開発と運営に関する独占的なフランチャイズ権を取得しており、同社は同ブランドのカフェを直営とフランチャイズで展開する。「コスタコーヒー」は英国で生まれたイタリアンスタイルのコーヒーブランドで、19年にコカ・コーラグループの傘下に入った。
解説=「コスタコーヒー」はバリスタによる手入れのコーヒーで知られるカフェで、イギリスとアイルランドだけで2800店舗以上あり、欧州では最多の店舗数を誇るブランド。日本でもすでにペットボトル製品などで知名度がある。
●日本ハム新球場にクラフトビール施設
北海道日本ハムファイターズの新球場「エスコンフィールドHOKKAIDO」に、同球場を運営するファイターズスポーツ&エンターテイメントとクラフトビールのヤッホーブルーイングが共同でクラフトビール醸造レストラン「そらとしば」を開業。同レストランは、世界で初めてという球場のフィールドが見渡せるセンターバックスクリーンに位置する店舗で、2層となった店舗内にはクラフトビールの醸造所を設けている。野球場内にビールの醸造設備が導入されるのは日本初とのこと。
解説=ヤッホーブルーイングは1997年の創業。酒税法改正によりブームとなったクラフトビールを製造販売し、一時は低迷したがネット通販などによりV字回復。現在はクラフトビール業界の最大手であり、都内で実店舗も展開する。
●鶏卵の不足と高騰 メニュー休止続く
鳥インフルエンザ拡大などの影響を受け、鶏卵の価格高騰と市場での供給不足により外食企業各社で鶏卵を使ったメニューの販売休止が相次いでいる。帝国データバンクが主要な上場外食企業100社に対して行った調査によると、2023年に入って鶏卵を使ったメニューの販売を休止した企業は18社、全体の2割近くに上るという。また、メニュー自体が休売にならずとも、ハンバーグに付け合わせている目玉焼きなどのように、他の食材に変更して提供するケースも増えているという。
解説=サイゼリヤでは一昨年登場した新メニュー「煉獄のたまご」が、オムライス専門店「ポムの樹」では卵6個を使った「オムライス」Lサイズが3月に販売休止。「餃子の王将」でも一部商品を休売する可能性があると告知している。
●シャノアール、ブランドが終了
C-Unitedの創業ブランドである「シャノアール」が、3月で58年間にわたるブランドの歴史を閉じた。同ブランドは1965年、東京・福生に「珈琲館シャノアール」として創業。その店名を社名として「カフェ・ベローチェ」など複数のブランドを展開してきたが、2021年に「珈琲館」と合併して現社名となった。23年1月には、前年に買収した「カフェ・ド・クリエ」などを展開するポッカクリエイトと合併し、現在は全国で12ブランド約600店を展開している。
解説=「シャノアール」の店名は、19世紀の終わりにパリに存在したキャバレー(現在のナイトクラブ的な店)に由来。同社は、近年では喫煙者のためのカフェを成功させるなど、規模拡大を最優先にしない独自の社風でも知られる。
●寿司「銚子丸」回転レーン廃止へ
千葉県に本拠を置く回転寿司チェーン「銚子丸」が、回転レーンを使用した商品の提供を中止すると発表。レーン使用によるフードロスと外食店舗で多発した迷惑行為への対策として、全店でオーダー端末による注文に切り替える。
●伊藤園、名古屋に日本茶の喫茶オープン
「お~いお茶」で知られる伊藤園が、名古屋駅に接続するJRセントラルタワーズのレストラン街に日本茶のコンセプト店をオープン。喫茶形式で点(た)てたての茶とスイーツなどを提供する。店名は「伊藤園 点(てん)」。
●ダイナミクス倒産 負債100億超
焼き鳥「鳥二郎」などを展開していたダイナミクスが破産手続きを開始。負債総額は109億円を超え、コロナ禍の外食では最大となった。同社は、「鳥貴族」などの有名ブランドによく似た店舗を展開したことで提訴された秀インターワンの後継企業。
●近鉄百貨店、FC強化 レストランを出店
FC事業を強化している近鉄百貨店が、奈良県の外食企業ベビーフェイスとフランチャイズ契約を結び、あべのハルカスにレストラン「ベビーフェイス スカイテラス」を出店。ベビーフェイスはFC店を含めて全国に80店舗ほどを展開している。
●中華の鉄人、陳建一氏が死去
「料理の鉄人」「きょうの料理」でも知られた「四川飯店」グループ会長の陳建一氏が亡くなった。日本に四川料理を紹介した「赤坂四川飯店」の創業者、故陳建民氏の長男で、1990年に社長に就任。数年前から病気療養中であったという。67歳。
●東京・八重洲にサブスクのカフェ
会員制レストランなどを展開する29ONが、東京駅の商業施設「東京ミッドタウン八重洲」にサブスクリプション型のコーヒー店を出店。月ぎめの定額でコーヒーを提供する同タイプの店は東京・有明にもあるが、同店は夜バー営業となる二毛作。
●串カツ田中HD、SNS告発に謝罪
串カツ田中ホールディングスは2月末、SNSで発信されていた社内のハラスメント行為と衛生管理などに関する告発について謝罪文を発表した。調査の結果、告発内容がおおむね事実であることを謝罪し、具体的な店舗名と共に対策を伝えている。
●居酒屋「天狗」、リブランド開始
テンアライドは、展開する居酒屋ブランド「旬鮮酒場天狗」と「テング酒場」についてリブランディングの実施を発表した。それぞれ池袋東口店と神田東口店からリニューアルをスタート。「旬鮮酒場天狗」は「旨い酒とメシ天狗」と店名が変わる。
●TGO、新宿に新業態 湘南ブランド出店
トランジットジェネラルオフィスが、湘南・七里ヶ浜で人気を集めるドライブインカフェ「Pacific DRIVE-IN」のブランドを冠した新業態「Pacific BAKE HOUSE(パシフィックベイクハウス)」を東京・新宿に出店。新宿駅の駅ビル1階。
●オペファク、公園内にイタリアンカフェ出店
関東と関西で多業態を展開するオペレーションファクトリーは、大阪・豊中の千里中央公園内にイタリアンカフェ「SEN℃(センド)」を出店。公園の再活性化により生まれた施設で、ステーキやハンバーガー、オイスターなど和の食材を生かした料理も数多く提供する。
編集協力:株式会社EATWORKS(入江直之、岡野恵子)
http://www.eatworks.com/
※記事は一部の固有名詞を省略