マルナカ、夏向け高級乾麺発売 差別化路線鮮明に
麺一筋、創業六〇余年の道内乾麺最大手・(株)マルナカ(札幌市東区、011・711・9181、村上吉一社長)は、4月1日から夏に向け「清流夏膳」(せいりゅうかぜん=ざるそば、ざるうどん各四〇〇g、小売価格二四〇円)など高級乾麺を新発売、高級化路線による差別化戦略で市場攻勢をかけている。
同商品は既存の「夏しのぎ」(高級物二〇〇円ライン、そうめん、ひやむぎ)に次ぐ高級ものとして位置づけている。一八〇円前後で特売価格が設定できるもの。この点について、同社村上和吉専務は「乾麺はあまり高級化に走ると手延べと勝負になってしまう。買う段階ではせいぜい二〇〇円くらいとみている」とプライス設定。また、販売については「定番よりもエンドや大陳の形で提案していきたい」と拡販姿勢で、発売地域は当面、道内限定。
とくに、「ざるうどん」は、昨年各社とも冷夏などから不振に終わっただけに、慎重に取組みたいとしている。計画では二品で初年度、最低でも三〇〇〇ケース以上の販売量を見込んでいる。荷姿は一ケース二〇入れ。なお、今年から来年にかけては、リニューアルの時期と位置付け、冬と夏はさらに数品のリニューアルを予定している。
また、グリーン麺市場を狙って、「チホクグリーンめん」も新発売。道産小麦にこだわってチホク小麦を使用し、とくにグリーン麺の需要が高い道東方面に食い込ませたい考え。同専務は「とくに釧路はグリーン麺がよく売れている。競合のサンガフーズとバッティングするが、うちの方は、チホクでやることによって、かなり差別化で攻めやすい」と自信をにじます。
チホクシリーズは、従来からのうどん、ひやむぎ、そうめん、そばに加え今回のグリーンめんで五品目のラインアップ、小売価格は一五〇円。同商品は通年商品として育成したい考えで、チホクうどんは、うどん全体の二割を超え、三〇%の伸びと人気を集めている。
同社では、これら“こだわり商品”でシリーズ化を図り、乾麺全体の売上げを伸ばしている。昭和8年創業で、今年六四年を迎え、この間、昭和40年代に大幅な設備更新、スパゲティの設備入れ替えを図るなど、道内乾麺業界のリーダー役として大いに力を注いでいる。
このほか、同社初の「手のべそうめん」を北海道産・たいせつ小麦使用で、ギフト向けに新発売した。手のべは当初テストケースで生産、販売状況をみながら拡大したい考えで、将来は手のべ道産品を産地へ逆売り込みしたいと意気込む。小売価格は三〇〇〇円。
同社ではこうした高級路線を一層鮮明化しながら、売上高一〇億円の大台を目指している。