”黒いウオツカ”小網が「ブラヴォド・ブラックウォッカ」発売
(株)小網(東京都中央区、03・3249・4304)は3月7日、日本初登場の黒いウオツカ「ブラヴォド・ブラックウォッカ」を全国発売する。同商品は九六年、英国・ロンドンで誕生し、無色透明というウオツカの常識を覆す商品。この常識破りの“黒”いウオツカは、同社洋酒ポートフォリオの中で期待の大型商品と位置付けられる。“スムーズでノド焼けしないマイルド”な味わいのウオツカに薬草を加えた風味豊かな味が特徴。すでに欧米諸国では若者中心に人気が爆発しており、元気のない日本洋酒市場の起爆剤として期待が広がる。販売目標は年間五〇〇〇ケース。アルコール分四〇%、容量七五〇ケース、参考小売価格・税別二一〇〇円、荷姿一ケース一二本入り。
“ブラック”の秘密について水橋直樹MD部主任は、「詳細はコメントできない」とする。現時点で明らかなことは“アジア産の薬草”ということだけ。製造会社のザ・ブラックウォッカ社マーク・ドーマン社長がロンドンのバーで、バーテンダーとウエーターとの会話をヒントに発案、商品化。この薬草を使うことで、よりソフトでスムーズな風味を実現した。
同商品でカクテルを作ると、ウオツカの比重が軽いため、黒色部分がグラス上部に残る(分離)。さまざまな飲料との組み合わせで鮮やかなカラーバリエーションが楽しめる。「分離状態で提供した時、視覚的インパクトがあり、味わう前には飲用者自身がミックスできる」(水橋主任)二つの“楽しみ”を持つ。
すでに得意先からはサンプル依頼が相次ぎ、某大手カラオケボックス会社などは、「自分の所だけで扱わせてほしい」と要望するほどだ。同社は今後の売れ行きに、「全く不安を感じない」(同)と自信をのぞかせる。流行のクラブやバー、レストラン、洋風系居酒屋、SM、百貨店などへの展開を狙う。
小網は昨年、この商品をあるルートで見つけた。その後、同社との代理店契約を拒んでいたザ・ブラックウォッカ社を半年ほど説得、最終的にはアンカービールやグロールシュ、シメイなどの海外ビール正規代理店実績が相手を納得させた。「彼らは消費者の信用を一番に考え、並行業者を敬遠している」(同)という。
今、市場は新規性の高い商品を求めている。小網はプロも「えっ!」と驚く発想転換の“ブラヴォド・ブラックウォッカ”で、洋酒市場に新風を吹き込みたい考えだ。低迷する洋酒市場への新商品投入に当たっては、社内討議を重ねたが、反対は少なかったという。
「いつまでも洋酒低迷のままではいけない。スコッチ市場ではモルトと言われているが、まだパイは小さい」(同)と同商品にかける期待は大きい。メーカー側の関心も高く、同社は類似品の出現を懸念している。
同商品は3月7日から、東京・ビッグサイトで行われる「フーデックス二〇〇〇」の三井物産ブースの“三友小網ブース”に登場。「かなり大掛かりな宣伝を行う」(同)予定だ。