本場素麺の里を訪ねて 揖保之糸播州・瀧野

1998.07.10 34号 10面

播州を穏やかに流れる揖保川。豊かな自然と雨の少ないこの地域は素麺作りに適すという。澄みきった青空と力強い木々の緑、そしてさわやかな風を受けて真っ白な素麺が少しずつ乾燥し、完成していく。機械化が進む素麺作りだが、昔ながらの風景もいまだ健在。自然を利用した製造方法が似合う土地だ。

揖保乃糸で知られる素麺の本場、兵庫県龍野市にある兵庫県手延素麺協同組合「そうめんの里」にて、おいしい素麺のいただき方を教えてもらった。

素麺バリエーションのすすめ

素麺はツルツルといただくのが一番だけど、少しもの足りないと感じる方には洋風、中華風でいただく素麺をご紹介したい。湯がいた素麺にもう一手間かけた素麺バリエーションに挑戦しよう。

素麺は湯がいてからよく水気を切って、160度の油で揚げる。よく油を切ってからコンソメスープに浸すとしんなりし、油っぽさが取れる。コンソメスープの味も浸みてくるのがポイント。また、コンソメスープに浸さなければ、パリパリ感が楽しめます。

おいしい素麺の湯がき方

=氷水がポイント=

(1)水2リットルを沸かして素麺を束からばらしながら放射状に入れて、2~3分湯がく。

(2)素早くザルに取る。

(3)氷水でよくもみ洗いをする。

(4)適宜に水を切って盛りつける。

*にゅうめんの場合は熱湯をかけ水気を切ってから汁に入れる。

酢洗い素麺

材料(一人前)

・ウナギ---2切れ

・卵焼き---2切れ

・素麺---2束

・タマネギ---1/8個

・赤パプリカ---1/8個

・黄パプリカ---1/8個

・ピーマン---1/8個

・酢---1カップ

・水---1カップ

・砂糖---50g

*遊菜流土佐酢ドレッシングの材料

・だし汁---100㏄

・生酢---100㏄

・薄口しょう油---10㏄

・みりん---8㏄

作り方

(1)タマネギ、パプリカ、ピーマンは薄くスライスする。素麺は茹であがったら氷水でよくもみ洗いをしておく。

(2)酢、水、砂糖を合わせた甘酢で素麺を洗ってから器に盛り、その上に同じようにスライスして甘酢で洗った野菜を盛る。

(3)ウナギと卵焼きを添うように盛り、お好みの量の土佐酢ドレッシングをかける。

中華風あんかけ素麺

材料(一人前)

・素麺---2束

・コンソメブイヨン--1個

・バター---少量

・だし汁---360㏄

・片栗粉---15g

・水---45㏄

・タマネギ---50g

・ニンジン---20g

・シイタケ---一枚

・ピーマン---20g

・豚肉薄切り---一枚

作り方

(1)素麺を茹で、水気を切ったら160度の油で揚げ、コンソメスープに浸して油抜きをする。

(2)タマネギは2ミリ程度の薄切り、ニンジン、シイタケ、ピーマンも適当な薄さにスライスする。豚肉は3センチ幅に切る。

(3)フライパンにバターを入れまず豚肉を炒めさらに切りそろえた野菜を加える。

(4)(3)にだし汁を加え、煮あがったら片栗粉と水を合わせた溶き片栗粉を加え、一煮立ちさせて火を止める。

(5)素麺を皿に盛り、(4)の野菜あんを上からかける。

シーフード素麺

材料(一人前)

・素麺---2束

・コンソメブイヨン--1個

・市販のホワイトソース------150g

・だし汁---50㏄

・無頭エビ---4尾

・アサリ水煮---6個

・貝柱---4個

・しめじ---20g

・ピーマン---1/4個

作り方

(1)素麺を茹で、水気を切ってから160度の油で揚げ、コンソメスープに浸しておく。

(2)ホワイトソースを鍋にあけ、加熱する。

(3)無頭エビ、アサリ水煮、貝柱は塩を加えた熱湯でさっと茹でて、ザルにあげておく。しめじは小房に分け、汚れを取っておく。ピーマンは縦に千切りにしておく。

(4)(2)に(3)の下準備した材料を加えさっと加熱する。

(5)一煮立ちしたら、皿に盛った素麺にかけ、さらにだし汁をふちからかけて頂く。

鯛のお頭素麺

材料(一人前)

・鯛の頭---半面

・だし汁---5カップ

・しょう油---1カップ

・砂糖---50g

・みりん---50㏄

・ゴボウ---1/4本

・素麺---2束

・だし汁(昆布といりこ)----100㏄

・薄口しょう油---6㏄

・塩---少々

作り方

(1)鯛の頭に熱湯を十分にかけ、氷水に入れてから鱗をきれいに取り除く。ゴボウはたわしでよく洗い、汚れを落としたら適当な大きさに切り、水に浸しアクを抜く。

(2)材料の調味料を混ぜ合わせ、煮汁を作る。煮たったら鯛とゴボウを入れ、煮汁が少なくなるまで煮込む。ゴボウは少し煮込んだら先に取り出す。

(3)素麺は茹でた後、熱湯をかけ水気を切る。

(4)にゅうめん用のだし汁を作り、ひと煮立ちさせ、素麺と一緒に器に盛る。上に煮詰めた鯛の頭とゴボウをのせる。

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