本場素麺の里を訪ねて 揖保之糸播州・瀧野
播州を穏やかに流れる揖保川。豊かな自然と雨の少ないこの地域は素麺作りに適すという。澄みきった青空と力強い木々の緑、そしてさわやかな風を受けて真っ白な素麺が少しずつ乾燥し、完成していく。機械化が進む素麺作りだが、昔ながらの風景もいまだ健在。自然を利用した製造方法が似合う土地だ。
揖保乃糸で知られる素麺の本場、兵庫県龍野市にある兵庫県手延素麺協同組合「そうめんの里」にて、おいしい素麺のいただき方を教えてもらった。
素麺バリエーションのすすめ
素麺はツルツルといただくのが一番だけど、少しもの足りないと感じる方には洋風、中華風でいただく素麺をご紹介したい。湯がいた素麺にもう一手間かけた素麺バリエーションに挑戦しよう。
素麺は湯がいてからよく水気を切って、160度の油で揚げる。よく油を切ってからコンソメスープに浸すとしんなりし、油っぽさが取れる。コンソメスープの味も浸みてくるのがポイント。また、コンソメスープに浸さなければ、パリパリ感が楽しめます。
おいしい素麺の湯がき方
=氷水がポイント=
(1)水2リットルを沸かして素麺を束からばらしながら放射状に入れて、2~3分湯がく。
(2)素早くザルに取る。
(3)氷水でよくもみ洗いをする。
(4)適宜に水を切って盛りつける。
*にゅうめんの場合は熱湯をかけ水気を切ってから汁に入れる。
酢洗い素麺
材料(一人前)
・ウナギ---2切れ
・卵焼き---2切れ
・素麺---2束
・タマネギ---1/8個
・赤パプリカ---1/8個
・黄パプリカ---1/8個
・ピーマン---1/8個
・酢---1カップ
・水---1カップ
・砂糖---50g
*遊菜流土佐酢ドレッシングの材料
・だし汁---100㏄
・生酢---100㏄
・薄口しょう油---10㏄
・みりん---8㏄
作り方
(1)タマネギ、パプリカ、ピーマンは薄くスライスする。素麺は茹であがったら氷水でよくもみ洗いをしておく。
(2)酢、水、砂糖を合わせた甘酢で素麺を洗ってから器に盛り、その上に同じようにスライスして甘酢で洗った野菜を盛る。
(3)ウナギと卵焼きを添うように盛り、お好みの量の土佐酢ドレッシングをかける。
中華風あんかけ素麺
材料(一人前)
・素麺---2束
・コンソメブイヨン--1個
・バター---少量
・だし汁---360㏄
・片栗粉---15g
・水---45㏄
・タマネギ---50g
・ニンジン---20g
・シイタケ---一枚
・ピーマン---20g
・豚肉薄切り---一枚
作り方
(1)素麺を茹で、水気を切ったら160度の油で揚げ、コンソメスープに浸して油抜きをする。
(2)タマネギは2ミリ程度の薄切り、ニンジン、シイタケ、ピーマンも適当な薄さにスライスする。豚肉は3センチ幅に切る。
(3)フライパンにバターを入れまず豚肉を炒めさらに切りそろえた野菜を加える。
(4)(3)にだし汁を加え、煮あがったら片栗粉と水を合わせた溶き片栗粉を加え、一煮立ちさせて火を止める。
(5)素麺を皿に盛り、(4)の野菜あんを上からかける。
シーフード素麺
材料(一人前)
・素麺---2束
・コンソメブイヨン--1個
・市販のホワイトソース------150g
・だし汁---50㏄
・無頭エビ---4尾
・アサリ水煮---6個
・貝柱---4個
・しめじ---20g
・ピーマン---1/4個
作り方
(1)素麺を茹で、水気を切ってから160度の油で揚げ、コンソメスープに浸しておく。
(2)ホワイトソースを鍋にあけ、加熱する。
(3)無頭エビ、アサリ水煮、貝柱は塩を加えた熱湯でさっと茹でて、ザルにあげておく。しめじは小房に分け、汚れを取っておく。ピーマンは縦に千切りにしておく。
(4)(2)に(3)の下準備した材料を加えさっと加熱する。
(5)一煮立ちしたら、皿に盛った素麺にかけ、さらにだし汁をふちからかけて頂く。
鯛のお頭素麺
材料(一人前)
・鯛の頭---半面
・だし汁---5カップ
・しょう油---1カップ
・砂糖---50g
・みりん---50㏄
・ゴボウ---1/4本
・素麺---2束
・だし汁(昆布といりこ)----100㏄
・薄口しょう油---6㏄
・塩---少々
作り方
(1)鯛の頭に熱湯を十分にかけ、氷水に入れてから鱗をきれいに取り除く。ゴボウはたわしでよく洗い、汚れを落としたら適当な大きさに切り、水に浸しアクを抜く。
(2)材料の調味料を混ぜ合わせ、煮汁を作る。煮たったら鯛とゴボウを入れ、煮汁が少なくなるまで煮込む。ゴボウは少し煮込んだら先に取り出す。
(3)素麺は茹でた後、熱湯をかけ水気を切る。
(4)にゅうめん用のだし汁を作り、ひと煮立ちさせ、素麺と一緒に器に盛る。上に煮詰めた鯛の頭とゴボウをのせる。