トピックス:冬虫夏草エキス飲料の生理活性について

2000.06.10 57号 15面

冬虫夏草(コルディセプス・シネンシス)は、漢方薬として中国では古くから心肺機能を高め、体内の代謝を活性化するさまざまな効果があるといわれている。絶対量が少ないことから「幻のキノコ」と呼ばれる大変貴重な菌種である。明治乳業(株)(本社両国オフィス=東京都墨田区)では、独自の研究開発により冬虫夏草エキスの純粋培養に成功し、スポーツシーンなどに合う新機能性飲料『コルディア』シリーズを発売している。

同社では、5月23日(火)、東京の有楽町マリオン朝日ホールで、「第二回スポーツコンディショニングセミナー アスリート分科会」を開催し、同社食品機能研究所機能評価研究部の角尾肇部長(元東京医科歯科大学助教授)が、冬虫夏草エキス飲料の生理活性と運動時のエネルギー代謝のメカニズムについて次のように説明した。

「運動負荷をかけると、筋肉はエネルギー源であるATPを産生する。まずブドウ糖をピルビン酸に解糖しATPを産生し、次いで供給された酸素を利用し、TCAサイクルでピルビン酸を燃焼し多量のATPを産生するのである。

一個のピルビン酸がTCAサイクルで燃焼されると、九個のブドウ糖が一八個のピルビン酸に解糖される時に産生されるATP量と同じATPを産生することになる。運動負荷が酸素供給量を上回ると、筋肉は酸素を必要としない解糖系によりATPを産生し、同時に多量のピルビン酸を産生することになる。多量に産生されたピルビン酸が乳酸に変換され、乳酸が蓄積し疲労感を生じ最終的には筋肉は動くことができなくなる。

冬虫夏草エキス飲料の飲用を継続していると、運動負荷時に筋肉への酸素供給量が増加し、ブドウ糖の解糖により生じたピルビン酸が効率よくTCAサイクルに入り多量のATPを作ることができるようになる。よって筋肉内での乳酸の産生を減少させることができ、運動能力が向上するのである」。

『コルディアFe』…同社独自の製法で純粋培養された冬虫夏草エキスに加え、女性が一日に必要とする鉄分の約二分の一量(六ミリグラム)を含有。さらに鉄分の吸収をよくするといわれる牛乳タンパク質から作られた「CPP(カゼインフォスフォペプチド)」を配合し、ジュース感覚でおいしく飲めるグレープフルーツ味となっている。

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