漢方スローライフ 季節と一緒にいい加減(123)芒種 梅雨に向けて湿熱対策を
●24節気 芒種(6月6~20日)
二十四節気(にじゅうしせっき)の芒種(ぼうしゅ)の芒は、イネ科の穂先の針のような突起のこと。麦が黄色に実って麦秋に。それを刈り取ってから、今度は苗代で育てた稲を田に植える時期です。カマキリが生まれ、蛍が飛び、梅の実が熟して色づきます。そして梅雨が始まります。
この時期は気温が徐々に上昇し、雨も多くなることから身体に湿熱がたまりやすいため、だるくなったり食欲もなくなりがち。そこで、薬膳的には「清熱(せいねつ)」「利湿(りしつ)」「健脾(けんぴ)」「益胃(えきい)」などを心がけることが必要です。食材としては、比較的あっさりとしたものを。冬瓜やきゅうりなどの瓜系野菜やなす、果物などがあげられます。マンゴーには「益胃」作用があり、中国では食べ過ぎによる消化不良に使われます。また、「生津」(津液を作る)作用もあるので、喉が枯れて声が出にくい時などにジュースとして飲むと良いでしょう。
中国・清の医家、趙学敏が著した『本草綱目拾遺』には、「船暈、北人謂之苦船、此症多嘔吐不食、登岸則已、胃弱人多有之。蜜望果甘酸、能益胃気、故能止嘔暈」(船酔いする人は胃が弱い。マンゴーは甘味と酸味で胃気を補い、嘔吐やめまいを止めることができる)という面白い記述もあります。
●マンゴー
【栄養学】ビタミンCやカリウム、葉酸を含む。黄色く熟した果実はβ-カロテンも豊富で、消化を助ける酵素も含む。
【薬膳学】身体の熱、喉の渇きを取り、利尿作用も。胃腸の働きを良くし、食欲不振の改善、下痢を止める作用もあるが、食べ過ぎると内臓を冷やすので注意。
(東京栄養士薬膳研究会 管理栄養士・国際薬膳師 小林頼子(レシピも))
◆マンゴーのパンナコッタ
美肌、貧血予防に
(エネルギー151kcal たんぱく質2.2g 塩0g(1人分))
<材料・2人分>
A・マンゴー……50g
A・牛乳……50ml
A・生クリーム……50ml
A・砂糖……10g
・ゼラチンパウダー……3g
・水……15ml
・マンゴー……50g
・レモン汁……小さじ1/2
・ミント……適量
<作り方>
(1)ゼラチンパウダーは水でふやかしておく。
(2)Aの材料をミキサーにかける。
(3)(2)を鍋に移し、(1)のゼラチンを入れてゼラチンが溶けるまで弱火で加熱する。冷めたら器に入れて冷やす。
(4)飾りのマンゴーは食べやすい大きさに切ってレモン汁をかけ、ミントとともに上に飾る。