プロテイン提案加速、前年19%増の成長市場 健康志向追い風に
プロテイン市場が好調だ。富士経済の調査では2019年の市場は、前年比19.1%増と2桁成長を達成。伸長の背景には、健康維持のためにプロテイン(タンパク質)摂取が重要との認識の裾野の広がりやさまざまなカテゴリーや形態で商品が発売されたことがある。20年に入ると、コロナ禍による外出自粛に伴う運動不足と「コロナ太り」を実感する人が増加、さらに、第2波、3波に備え、健康維持・増進のために食事や栄養バランスに気を使う人も増えており、プロテインへの注目はさらに高まっている。こうした中、食品メーカーでは「ウィズコロナ」の時代に、どのように「プロテイン」を生活に取り入れるかの提案を加速させる。
明治の調査では、新型コロナウイルス感染症の流行を機に3人に1人が「自分の身は自分で守る必要があると感じ」「家族の健康状態を気にするようになった」ことが明らかになった。同社では「食事・栄養のバランスを気にする」ことはコロナ終息後も続き、食事などの生活習慣をあらためて見直す人が多くなると分析。また、厚生労働省発表の「日本人の食事摂取基準(20年版)」で、高齢者のタンパク質の目標量が見直され、中高年からシニア層の目標量の下限が引き上げられ、妊婦にも目標量が新たに設定されるなどの動きに加え、現代日本では「タンパク質摂取不足」による低栄養問題が顕在化する現状を指摘し、男女ともまずは10g程度増やすことを推奨する。
具体的には、今春発売した飲料、ゼリー、ヨーグルト、チーズ、菓子、アイス、冷凍食品などの分野を横断し、いつでも・どこでも・おいしく・手軽にミルクプロテインを摂取できる「明治 TANPACT(タンパクト)」シリーズ=写真(上)=を活用することで、プラス10gのタンパク質の摂取を提案する。
アサヒグループ食品は、外出自粛や在宅勤務継続による運動不足やそれに伴う「コロナ太り」という課題解決のため、手軽においしく摂取できる既存商品を利用シーンに応じ提案。「1本満足バー プロテイン」シリーズは、4月にランニングを楽しむ人向けの「プロテイン・ラン」=同(下)=を新発売。「クリーム玄米ブラン」は、3月に大幅なリニューアルを行い、摂取したい栄養素として人気の高いタンパク質を1製品当たり10gに増量。
「ディアナチュラ」は、粉末タイプのプロテイン「ディアナチュラアクティブ」シリーズを展開。タンパク質に加え、HMBカルシウム・ビタミン11種・ミネラル9種・乳酸菌などが取れる「ホエイプロテイン カフェオレ味」「ソイプロテイン ソイミルク味」「同ココア味」、さらに、運動後にうれしい乳由来タンパク質「ホエイプロテイン」と大豆由来タンパク質「ソイプロテイン」の二つのタンパク質配合の「ホエイ+ソイプロテイン グレープフルーツ味」の4品を展開。(青柳英明)