ロッテ、「とけにくいアイス ゆったりバニラ」発売 課題解決で新販路開拓

とけにくいアイス ゆったりバニラ

とけにくいアイス ゆったりバニラ

介護施設でもアイスを楽しむことができる

介護施設でもアイスを楽しむことができる

 ロッテは、高齢者施設や学校などの給食や飲食店向けの業務用アイスクリームの新商品として、カタチが長持ちする「とけにくいアイス ゆったりバニラ」を発売している。「アイスはすぐに型崩れをして、どろどろになって溶けてしまう」という課題を解決することで、新たな販路を開拓する。ウィズコロナで今後も成長が見込まれる、テークアウトやデリバリーでの活用も提案し、アイスの提供機会拡大につなげる。

 アイス業界の常食を覆す、一定の時間形を保つことができるのは安定剤にゼラチンを使用したため。冷凍庫から出してしばらく置いていても液状化しにくい構造で、時間がたっても型崩れしにくい。さらにアイスとしての冷たさを維持しながらクリーミーで軟らかい食感となっており、食後のデザートにふさわしい味わいに仕立てた。なお、アイスとしてのおいしさを担保するため、冷凍庫から出して30分以内に食べることを推奨する。内容量60ml、オープン価格。業務用で一般的な小売店では販売しない。

 「とけにくいアイス ゆったりバニラ」は、施設内でもおいしいアイスが食べたいという声から誕生。調査を行う中で、老人ホームではプリンやゼリーのようないわゆる「溶けない」デザートがこれまで食事やおやつの時間に多く利用されていた。施設管理者も一度に食事の配膳を行うため、食事に長い時間が掛かる入居者には、アイスは不向きなデザートととらえられていた。こうした中、「本当は冷たくておいしいアイスが食べたい」という声に応えるため、長年研究を積み重ねてきた「溶けにくい技術」を応用し、カタチが長持ちしてゆっくり食べられる「とけにくいアイス」を開発した。開発時は、ゆったりとアイスを楽しんでもらえるよう、溶けにくい品質を目指しながら、アイスの「くちどけ」やバニラの「コク」にも徹底的にこだわった。

 開発に協力した介護付有料老人ホーム「センチュリーシティ大宮公園」支配人の羽根田直美氏は、「溶けにくいので介護が必要な方にもアイスの食感を楽しんでいただけます。また、口に入るとすぐ溶けるので皆さまから『食べやすい』と声をいただいた。デコレーションしても溶けにくいので、最後まで目で楽しみ舌で味わっていただけています」と、レストラン担当の管理栄養士の尾崎愛美氏は、「溶けにくいので食事のデザートとして献立に組み込みやすくなった。アイスは飲み込みもしやすいので多くの方に喜んでいただけると思います」とそれぞれコメントしている。親子で入居している小島正子さん(96歳)、大座畑真理子さん(74歳)からは「甘すぎずとてもおいしい。量もちょうど良いし、一年中食べたいです」と喜びの声が寄せられているという。(青柳英明)

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