オルタナティブアルコール文化発信 京阪神の飲食店参加

外食 ニュース 2020.09.09 12111号 03面
“酢”入りで膨らみある味わいにしたオルタナティブアルコールは食中にも楽しめる

“酢”入りで膨らみある味わいにしたオルタナティブアルコールは食中にも楽しめる

 【関西】アルコールは入っていないが、お酒の代わりに楽しめるノンアルコール飲料「オルタナティブアルコール」を新たなブームにしようと、京阪神の飲食店45店舗が立ち上がった。9月からの3ヵ月間、酒の代わりに“酢”をポイント使いにしたカクテルを食中に提供し、新たなノンアル思考の育成を目指す。

 ノンアルコール飲料は近年、ビールやカクテルの商品化が進み、日本でも市場規模が拡大中だが、英国ロンドンでフルーツビネガーをボタニカルや果実でフレーバー漬けした飲料「シュラブ」が流行し、欧米にノンアルカクテルを意味する「モクテル」の専用バーが登場するなど新たなジャンルとして海外市場は活気付いている。

 一方、日本の飲食店では酒が飲めない人やハンドルキーパーがノンアル飲料をやむなくオーダーするが、食中シーンにマッチしにくく何杯も飲めず、客単価の取れない欠点があった。

 今回「既存に代わる新しいもの」を意味する“オルタナティブ”アルコールを提供するのは兵庫、大阪、京都の飲食店45店舗。

 カクテルが得意なバーやレストランだけでなく、日本料理店やラーメン店、焼肉屋も参戦し、酒と同じ発酵食品の酢をリキュールのように扱って味に奥行きや深みを出したオルタナティブアルコールの魅力を発信する。ジュースや果汁・炭酸を重ねただけでは表現できない膨らみある味わいや酸味をキック力にし、酒好きにも「あえてこれを飲みたい」と言わせる存在を目指す。

 3日には大阪市北区のグランフロント大阪北館ナレッジキャピタル5階「C terrace」で仕掛人のクリエーターズファクトリー曽我和宏氏、Mizkan大阪支店協力の下、オルタナティブアルコール発表会を開催。Mizkanのさまざまな酢を活用し、神戸市の「バー・サヴォイ・オマージュ」森崎和哉氏の「フルーティス」と茶とソーダを1対2対2で割るだけの簡単カクテルや、ヨーグルト黒酢とレモングラスやフレッシュグレープフルーツ、自家製スパイスコーディアルなどを使った「ホワイトグルーヴ」など6種類、料理家辻ヒロミ氏の食中にぴったりな4レシピ、大阪樟蔭女子大学の学生によるかわいらしい3カクテル、Mizkan赤野裕文氏のティーバッグを漬けリンゴ酢のレインボーカラーカクテルの「オルタナティブアルコールコレクション」21品が披露された。(深瀬雅代)

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