缶詰・瓶詰・レトルト食品20年国内生産量 レトルト4年連続最高更新

 ●多くの品目でコロナ影響

 20年(1~12月)の缶詰・瓶詰・レトルト食品の国内生産量は、全体としては昨年同様の傾向が続いたが、新型コロナの影響が多くの品目に表れた。内食シフトを生産量に反映したレトルト食品は、前年比1.4%増、38万8746tと4年連続で過去最高を更新。うち3品目で過去最高を記録した。缶詰はスーパー売場を主体とする丸缶(飲料を除く)が、同3.5%減の19万8041tと2年連続の減産となった。日本缶詰びん詰レトルト食品協会が22日発表した。(本宮康博)

 レトルト食品をけん引した品目は前年同様、全体の42%を占めたカレー。生産量は0.3%増16万4310tと微増ながら過去最高を更新した。複数パックや有名店コラボ品などの好調を反映したもよう。また個食タイプの丼の具が好調な食肉野菜混合煮も、11.0%増2万2960tと前年に続き2桁伸びとなり、過去最高を更新した。つゆ・たれは昨年の微減から6.4%増5万2877tと大幅増産に転じ、過去最高を記録。パスタソースも6.2%の増産。

 缶詰では水産缶詰が丸缶全体の47%を占め、生産量は5.5%減の9万3327tと2年連続の減産。うちサバ缶は昨年3~4月の需要急増後は市場も低迷し、厳しい原料事情も反映して13.0%減の3万9034tと大幅減産。他の青魚缶のイワシ缶、深刻な不漁が続くサンマ缶も減産。マグロ・カツオ缶は原料価格の安定と内食化を受け、5.5%増の3万3064t。原料難からイカ・サケ缶は減産、カニ・ホタテ缶はギフト需要の低迷も影響した。

 野菜缶詰は4.3%減と3年連続の減産。主力のスイートコーンは北海道産が31.8%減と大幅減産の一方、冷凍輸入原料を使用した国内加工は9.8%増となりトータル2.5%増1万3540t。果実缶詰は2.3%増2万8791tと、缶詰カテゴリーで唯一増産だった。主力のミカンが原料に恵まれ9.9%増、黄桃・フルーツみつ豆・混合果実も増産でコロナによる需要増もあった。

 食肉缶詰も家飲み需要の増加を受け、牛肉缶25.4%増、焼き鳥缶24.8%増といずれも大幅増産。ただコンビーフのプラ容器へのシフトを受け、全体では減産。調理・特殊缶詰はパスタの需要増から、ミートソースが12.0%増、その他ソースも10.6%の増産。ただダメージの大きい業務用が主体のカレーが20.1%減、デミグラスソース37.3%減など影響が表れた。

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