#元気いただきますプロジェクトNEWS:羽田市場 プロジェクト継続を
◇インターネット販売推進事業=羽田市場
●産地の苦境、ECで支える
「産地で売り先を失って困っている水産物・加工品を当社が全部買い取って支える。送料の支援があるから絶対的に売れるので、当社も安心して、漁師さんたちにいくらでも作っていいよと言える。こんなに売れるのかと皆さんびっくりしている。非常にインパクトのある施策だ。産地は絶対に助かる」と羽田市場の野本良平社長兼CEO。「#元気いただきますプロジェクト」の今しばらくの継続を願っている。
羽田市場は、20年2~3月の浜値の下落で苦境に陥っていた漁師から、シラス、イクラ、ホタテ、キンメダイなど約300tを買い取って産地を支援していた。その羽田市場を同4月、コロナ禍が襲った。「地元の市場に出しても金にならないので羽田市場さん何とか助けてくれないかと頼まれ、結構買い支えた。産地からは本当に喜ばれた。4月にはコロナもだいぶ収まるだろうし7月にはオリンピックもある。売り先はいくらでもあると気楽に構えていた。しかし、とんでもないことになってしまった」(野本社長兼CEO)
市場を介さず漁師や漁業協同組合と直接取引するのが羽田市場のビジネスモデル。羽田空港の制限区域内に有する加工センター「羽田鮮魚センター」に集まって来た捕れたての鮮魚や輸入水産物を空輸、空港のない国内の消費地へは、いち早く届けるために新幹線や高速バスの客貨混載物流を活用、米国、シンガポール、香港、台湾、タイ、インドネシア、マレーシア、ベトナムの海外8ヵ国への輸出でビジネスを広げてきた。
「このまま在庫を抱えて会社をつぶすか、困ったなと思っていたところ、EC(電子商取引)ショップを無料開設できるサービス『BASE(ベイス)』を見つけた」(同)。イクラの醤油漬けとホタテとシラス干しの三つの商品を掲載して自宅でECショップを始めたという。5月1日の開設初日に売上げは180万円。手応えを感じた。そこからSNSで仕掛けその月の25日までに7500万円、BASEの約120万店舗中で売上高が1位になった。メディアでも取り上げられた。8月には月間売上高約1億4000万円のビジネスになった。趣旨に賛同する「#元気いただきますプロジェクト」には、そのECショップを通じて参加している。「当社のサイトは多い日で80万ページビューはある。当社のECは売れているので、ここに掲載しておけば、商品が良ければすぐにリピーターが付く。当社と取引のない方もどんどん相談や売り込みをしていただきたい」と野本社長兼CEO、まだまだ疲弊している産地へのエールだ。(川崎博之)