#元気いただきますプロジェクトNEWS:okicom 給食に県産食材活用
◇食育等推進事業=okicom
●絆深めて郷土愛も醸成
沖縄県内の認可保育園や認可外保育園などに県産食材を提供し、給食に使ってもらうことで食材の活用を図るIT(情報技術)企業okicomが主幹の沖縄食育事業コンソーシアム。児童ばかりではなく保護者にも県産食材の魅力を伝え、県産食材を使った料理を親子で食べてもらうことで家族の絆を強めるとともに郷土愛も醸成することを目指す。監修を務める守口徹麻布大学生命・環境学部食品生命科学科食品栄養学研究室教授は、0~5歳のころの食事体験が、その後の人間形成にも影響を与えると訴える。
okicomは、OTSサービス経営研究所とともに事業事務局の役割を担う。「#元気いただきますプロジェクト」を活用し、沖縄県内保育園で食育活動を展開する。351ヵ所(上限)の調理室を備えた県内の認可保育園や認可外保育園などに県産食材と、その魅力や栄養価、レシピなどの情報を提供し、給食に使ってもらうことで県産食材の活用を図る。園児だけではなく、保護者にも活動に関するDVDを提供し、県産食材に愛着を持ってもらう取組みも行う。
協力保育園団体である那覇市認可外保育園ふくぎの森保育園の新垣綾子園長は取組みについて「親子で一緒に県産食材を使った料理を食べることで、おいしさを共有するとともに家族の絆をより一層深めることができる。さらに県産食材を通して、郷土愛も育むことができる」と意義を強調する。
協力団体は8団体あり、食材を提供するのはそのうちの4団体。沖縄鮮魚卸流通組合がキハダマグロ、メバチマグロ、マカジキ、メカジキ、アカイカ、沖縄県車海老漁協協同組合がクルマエビ、勝連漁業協同組合がモズク、がんじゅうが県産和牛肉を提供する。「#元気いただきますプロジェクト」に参加したことは、食育活動のみならず地元の生産者ともつながるきっかけにもなった。その結果、地域の皆さんにも喜んでもらえる活動へと幅が広がった。
沖縄県の保育園システムは他県と少し異なっており、0~5歳の児童を保育園が、6歳の児童を幼稚園がそれぞれ保育し、モグモグ期(生後7~8ヵ月)から咀嚼(そしゃく)力を鍛えるようになる3~5歳まで、子どもの成長に適したレシピを提供する。守口教授は「この時期に食事を通じて『おいしい』『うれしい』『楽しい』を体感することは子どものその後の人間形成に影響を与える」とし、この時期の食事の重要性を強調する。
食材にはアレルギー物質で特定原材料のエビ、特定原材料に準ずるイカも含まれているので、児童のアレルギーの有無を保育園に確認し、1歳半~2歳の児童には食材の形状を変えて少量提供するなどの対応をしている。(木下猛統)