全米ひまわり協会、ウェビナーでひまわり油の有用性とメリットを紹介 関税撤廃も後押し

クリス・グールド氏

クリス・グールド氏

ソーニャ・フランチェスキーニ氏

ソーニャ・フランチェスキーニ氏

全米ひまわり協会(National Sunflower Association)は「世界が注目!健康的な植物油として食品・飲料にイノベーションをもたらすひまわり油」のテーマで6日に開催したウェビナーで、穀類、ナッツ類を使用した製品に適しているほか、高温で安定し煙点が高く揚げ調理に適し、トランス脂肪酸フリーで既知のアレルゲン成分がないなどひまわり油の有用性と利用するメリットを紹介した。

植物油の価格が高騰している中、23年度から米国産ひまわり油に対する輸入関税が撤廃されるとあって、注目されている。

同協会のシニア・アカウント・ディレクター、ソーニャ・フランチェスキーニ氏によれば、22年の栽培面積は前年比31%増で、1ha当たり収穫量も前年を上回り過去2番目に多い。世界中に輸出され、上位はカナダ、メキシコ、韓国となっている。一方、日本では105万tの植物油を輸入、このうちパーム油とパーム核油が80%超を占め、ひまわり油は3.6%にとどまっている。

20年1月発効の日米貿易協定に基づき、未精製ひまわり油に対する関税が引き下げられ、23年度には完全に撤廃する。このため日本の顧客に対する原価は1t当たり50~100ドル値下がりし価格競争力が高まるとみられている。

日本農林規格(JAS)ではハイオレイックひまわり油の要件であるオレイン酸含有量は70%以上としているが、米国のハイオレイックひまわり油には82~88%も含まれている。健康、機能面で、オレイン酸、ビタミンEの高さをアピールすることができる。日本での成長分野はベーカリーや軽食、マヨネーズ、ドレッシング、マーガリンだと述べた。

ひまわり油の成分について、同協会シニア・バイス・プレジデント、クリス・グールド氏は、ミッドオレイックには71%、ハイオレイックには86%のオレイン酸が含まれているという。パームオレイン、綿実油などに飽和脂肪酸が多く含まれているのに対して、ひまわり油は顕著に少ない。トランス脂肪酸フリーで飽和脂肪酸が少ない、遺伝子組み換えでなくクリーンラベルに適合している、煙点が230度Cと高い、コーシャ認証、ハラール認証を取得していることなどが特徴だ。

揚げ調理、乳化させて製造する飲料、食品、ベーカリー、シリアルバーなどにも適している。23年度は栽培面積が10~15%増加し、ひまわり油の生産も増加が見込まれていることから、ひまわり油の利用拡大を訴求した。(小島麻由美)

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