WFP、新CM「一杯の給食でいっぱいの希望。」発表 学校給食を支援

キャンペーン 総合 2008.06.27 10008号 02面

 WFP国連世界食糧計画は23日、東京・渋谷の国連大学で学校給食支援の新広告「一杯の給食でいっぱいの希望。」=写真=を発表した。同CMはAC公共広告機構が08年度キャンペーンテーマに選出、7月上旬から1年間、テレビ、ラジオ、新聞、雑誌などを通じ、公共広告キャンペーンとして展開する。広告の企画・制作は、電通名鉄コミュニケーションズが担当、ナレーションには、俳優の豊川悦司を起用した。

 宇宙旅行が実現しようとする現代、飢えはいまだに世界第1位の死亡原因だ。世界中で8億5000万人の人々が飢えに苦しみ、そのうち3億5000万人が子どもたちという現実がある。労働の担い手として学校に通うことすらできない子どもが1億1500万人存在し、学校で学ぶ子どもたちもその多くが食事をとることができない。空腹で学習に専念できず、優秀な人材を育成できない状況は、その国・地域の将来に大きな負担となる。

 今回のCMテーマはカップ1杯の給食がもたらす希望。ケニア・ナイロビのキベラスラムの小学校を舞台に、子どもたちが給食をもらい、勉強している姿を描いている。WFPは同地で大豆やトウモロコシの粉にビタミンやミネラルを加えた栄養たっぷりのおかゆを給食として配布している。

 映像を制作した山田稔監督は「現地スラムの貧困と子どもたちの笑顔に驚いた。食事が取れて学べる学校は、子どもたちに希望を与える。子どもたちの笑顔はその希望から自然に生まれるもので、日本の子どもには全く見られない豊かな表情がある。教育の重要性とそれを支えるWFPの学校給食プログラムの力を実感した」と現地の様子を紹介した。

 玉村美保子WFP日本事務所代表は「世界的な穀物と原油価格の高騰が深刻な食糧難を引き起こしている。発展途上国では、1日の食事は学校で食べる給食のみという子どもも多い。AC公共広告機構が、昨年に引き続きWFP学校給食支援プログラムを支援して下さることを感謝したい」と述べた。

 WFPは国連唯一の食糧支援機関であり、同時に世界最大の人道支援機関だ。飢餓と貧困の撲滅を使命として61年に設立。昨年は、世界80ヵ国で8600万人に330万tの食糧支援を実施した。

 日本事務所は96年横浜に開設、日本政府との連絡業務、企業、各団体・NGOとの協力関係を推進している。関連団体として認定NPO法人国連WFP協会があり、企業や各団体との連携を深め、募金や民間協力の窓口となっている。日本はWFPの主要拠出国で、過去10年の政府拠出額は年間平均1億2900万ドルで世界第3位。(三輪周二)

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 〈WFPへの募金先〉▽インターネット=www.wfp.or.jp(24時間受付、クレジットカード専用)▽郵便局=口座番号00290-8-37418▽手数料無料募金振込口座=三菱東京UFJ銀行本店(店番001)普通預金0887110、口座名トクヒ)国連WFP協会募金口、イーバンク銀行www.ebank.co.jp内「募金サイト」

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