新型コロナ:パルミジャーノ・レッジャーノ・チーズ協会、病院支援100万ユーロ寄付

ニコラ・ベルティネッリ会長

ニコラ・ベルティネッリ会長

パルミジャーノ・レッジャーノ・チーズ協会理事会は、新型コロナウイルス感染に対処しているイタリア北部生産地域の病院支援のため100万ユーロ(約1億1700万円)の寄付を決定した。この寄付金は主に救急車、人工呼吸器の購入に充てられる。また医療スタッフの食事や病院食のためのチーズも提供する。

困難な状況にあるイタリアでもパルミジャーノ・レッジャーノのチーズ作りや工房へのミルク輸送は「必要不可欠な仕事」として許可されている。

欧州食品安全機関 (FFSA)では、食品を介したコロナウイルスの感染報告はないとしていて、チーズ工房では指示に従って、職人同士の距離を保ってチーズ生産を行っている。

協会は不測の事態に対処するため、引退したチーズ職人や退職スタッフのデータベースを作成、工房の応援要請に対応できるネットワークを構築した。

同協会のニコラ・ベルティネッリ会長は「パルミジャーノ・レッジャーノは9世紀以前から変わらぬ材料と職人技、完全にナチュラルな製法で、添加物を一切使わずに作っている。製造を止めることはサプライチェーンのためにも極力避けなければならない。12年に発生したエミリア・ロマーニャ州地震の際も消費者がわれわれを応援してくれた。今回のような未曽有の事態に直面し、われわれも地域のためにできる限りのことをしたい」と述べた。(三輪周二)

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