AGF「徳之島コーヒー生産支援プロジェクト」 真の国産コーヒー、来春初収穫

飲料 ニュース 2019.11.08 11968号 01面
左から仲島正敏伊仙町役場経済課課長、吉玉誠一生産者会代表、品田英明社長、梶原和幸丸紅飲料原料部長

左から仲島正敏伊仙町役場経済課課長、吉玉誠一生産者会代表、品田英明社長、梶原和幸丸紅飲料原料部長

味の素AGFの品田英明社長は「真の国産コーヒーを目指す」とした取組みを、5日に東京本社で開催した「徳之島コーヒー生産支援プロジェクト」メディア向け説明会で宣言した。

品田社長は「一貫して、徳之島でのコーヒー生産にこだわる。島を挙げて、コーヒーを産業化していきたい。20年3月13日に同島に第二のコーヒー実証農場をオープンするとともに、『徳之島コーヒー生産支援プロジェクト』として、初めての収穫を予定している。収量拡大に向け、(1)育苗拡大(2)生産農地拡大(3)生産者拡大–に取り組む。22年に15000本の木から、約1000kgの収穫を見込み、テスト販売を開始し、23年の数量限定の本格販売に向け、同島を『真のコーヒーアイランド』にすべく、今後も取り組んでいく」とした。

同プロジェクトは、17年6月に徳之島(鹿児島県)は伊仙町で、同町役場、徳之島コーヒー生産者会、丸紅とAGFの4者で、契約を締結したことから始まった。これは、AGFが徳之島のコーヒー生産者会などとともに、同島でのコーヒー生産の課題の「台風被害」「土壌改善」「精選機など設備の不足」「後継者問題」の解決を目指しながら、徳之島コーヒー生産を支援し、島の次世代に引き継ぐべく、同島で収穫した国産コーヒー豆を使用した商品の開発を目指す取組みとなる。

同島には33年、コーヒーを作り続けてきた徳之島コーヒー生産者会代表の吉玉誠一氏がいる。吉玉代表は「徳之島のコーヒー栽培には台風対策が一番の課題となる。コーヒーベルトよりも北に当たる同島でコーヒーが生産できるのは、素晴らしい海流のおかげ。氷や霜は降りない。徳之島に適した低木かつ風に強く、寒さに強いコーヒーの種類を調べ、AGFや丸紅の協力を得て、島では11種類の木が植えられていく。2年か3年後には、島で作られたコーヒーが手元に届くだろう」と語る。

同プロジェクトでは、(1)防風ネットなどの「台風対策」(2)味の素社製肥料「アミハート」の活用や土壌分析による「土壌改良」(3)精選機などを支給する「設備支給」(4)強風に強い品種などの「種支給」(5)育苗指導などの「生産技術支援」などの支援活動–に注力しており、特に、島内の施設や高校など4施設に「育苗委託」などのサポートを依頼するなど、同島全体に「徳之島コーヒー」をサポートする取組みが広がり始めているという。(本吉卓也)

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