アサヒ飲料、“エコ活”テーマに環境配慮品で売場を 消費者インサイト対応

飲料 ニュース 2021.06.11 12242号 02面
環境配慮型商品売場のイメージ

環境配慮型商品売場のイメージ

 アサヒ飲料は5日の「環境の日」に合わせ、店頭で環境に配慮した商品を並べ、環境負荷の低減に対する取組みを訴求する売場作りを全国の量販店で順次開始している。具体的には「始めよう!エコ活」をテーマに、POPやボードなどを約1万1000枚用意。容器に環境配慮素材を使用する「アサヒ 十六茶」PET630mlや「ラベルレス」シリーズといった同社商品に加え、他のカテゴリーの商品も含めて売場に並べていく。5日を皮切りに、年間を通して「始めよう!エコ活」をテーマとした売場作りを実施していく。

 この背景には、コロナ禍により変化する消費行動がある。異常気象やフードロスなどさまざまな社会問題が顕在化する中、「環境に配慮した商品を購入したい」という生活者が増加傾向にある。このような消費環境の中で、小売・流通企業も環境配慮に関する商品への意識が高まっており、大手スーパーの一部店舗などでは、環境に配慮した商品の取り扱いを増やす動きもあるという。

 同社は、人にやさしく環境にもやさしい「ラベルレスボトル」や環境配慮素材を使用した「アサヒ 十六茶」ブランドを展開している。「アサヒ 十六茶」ブランドは、容器に環境配慮素材(PET再生樹脂、バイオ素材樹脂)を使用した環境にやさしい新容器“ネイチャーボトル”を新たに採用し、ラベルにおいては、バイオマスインキを使用している。3月のリニューアル以降、好調に推移し、「十六茶」ブランドは3~4月で前年比15%増と伸長している。

 「ラベルレスボトル」では店頭や自動販売機でも単品販売が可能となる「『アサヒ おいしい水』天然水 シンプルecoラベル」(585mlPET)を4月からテスト発売している。ラベルレスボトル計で樹脂の使用量は年間約70tの削減、CO2排出量は年間で約230tの削減を見込んでいる。環境配慮意識の高まりなどから、21年1~4月のラベルレスボトルの販売実績は前年比2.3倍と好調に推移している。

 加えて、リサイクルPETを19年から「カルピスウォーター」などの一部商品や、20年から「三ツ矢」「カルピス」ブランドを中心とした乳性・炭酸飲料の500mlPETの一部に使用するなど、商品を通じた環境に配慮した取組みを加速している。

 同社は「環境負荷低減の取組みを売場において訴求し、消費者の環境配慮への意識を少しでも高めることで持続可能な社会への貢献を目指していく」としている。(本吉卓也)

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