旭川食品加工協議会、「酒粕プロジェクト」最注力 酒造り盛んな地域性生かす

総合 ニュース 2019.10.16 11956号 11面
米谷慈洋会長(米谷産業社長)

米谷慈洋会長(米谷産業社長)

【北海道】旭川地域の食品加工業者や酒蔵、青果卸、ホテル、飲食店など食関連企業40社で組織する旭川食品加工協議会は、地域ブランド確立に向けたプロジェクトを積極的に推進している。中でもいま最も力を入れるのが「旭川酒粕プロジェクト」。酒造りが盛んな地域性を生かし地元酒蔵で作られた酒かすを原料に使った菓子や唐揚げ、麺など会員メンバー間の連携強化で商品開発の幅を広げている。

同協議会は、個々の企業による事業や業種ごとの組合事業を超え、旭川地域の食品加工業界が連携する横断的な組織を目指し2000年8月に設立。地域食品関連産業の競争力強化や食品関連企業の健全な発展を促進するため、会員間の技術・情報の交換、品質・衛生管理などのセミナーを通じた人材育成、加工技術研修会の実施、地域ブランドを目指した新商品開発、各種展示会への参加など主な事業に据える。

特に管内は、コメやそば、小麦、大豆などの農産物をはじめ、食肉関連、製麺、清酒、スイーツなどの食品産業が盛ん。多種多様な食の素材を抱えることから、地元の原料を使って、地元企業が加工、販売するオール旭川での商品開発に力を注いでいる。

これまで取り組んできたプロジェクトには、第1回開催から実行委員・企画委員を務める『北の恵み食べマルシェ』の応援企画「旭川しょうゆ焼きそば」の開発をはじめ、カルツオーネのフリット、宇宙大豆で注目を集めた「大豆プロジェクト」などが代表的。17年からは高砂酒造、男山など地元酒蔵の酒かすを使って商品開発を目指す「酒粕プロジェクト」をスタートさせている。今年の食べマルシェでも協議会として出店し、同プロジェクトから生まれた「旭川まぜそば酒かすもつ煮麺」「上川産豚タンモトのスパイシーザンギ」「甘酒かりんとう」など販売し人気を集めた。

同協議会の米谷慈洋会長(米谷産業社長)は「酒かすにはタンパク質やビタミン、食物繊維などが豊富。整腸作用や肥満予防などの効果もあるとされ、栄養面、機能性にも優れた食材。調理でも、片栗粉や小麦粉に混ぜて唐揚げに使うと、肉のえぐみや臭みが無くなり柔らかくまろやかに仕上がる。もつ煮麺でも酒かすを入れることであっさり食べやすい味わいになる。まだ知られていない機能も多く、活用の幅はさらに広がる可能性を秘めている」とアピールする。酒かすを粉末パウダー状にする製品化も進めており、汎用(はんよう)性を一段と高めたい考えだ。

当初は協議会メンバーだけの商品開発だったが、会員以外にも加工技術や情報を開示して酒かすを使った商品化を後押ししている。米谷会長は、「会だけで囲ってしまうのではなく、会員以外にもオープンにすることでさらに多くのアイデアも集まり、将来的にメンバー増員にもつながる。『酒かす羊羹』や『酒まんじゅう』『酒粕アイス』など、会員はもとより、会員以外の企業とのコラボで生まれた商品も数多い。これからも管内の食品界全体で取り組んで、全国的に発信できるような旭川ブランドを作り上げたい」と意気込む。

同協議会は来年8月で設立20周年を迎える。今後の取り組みについて米谷会長は「超高齢化時代をにらみ、簡便調理で食べられるような惣菜やレトルト食品、肉でもより軟らかく、安全・安心で高齢者に優しい介護食のようなものをどんどん開発していきたい」と戦略を描いている。(長島秀雄)

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